番外編:風邪っぴきにはれもん味 及川 ページ24
「王子先輩さよならー!」
『・・・さよならー、けほ』
ひらひらと手を振りながら咳き込む。
「どうしたの王子様、風邪?」
それにいち早く反応したのは及川だった。
『んー喉だけなんだけど、いがいがする』
「うわー、どうせ髪乾かさないでそのまま寝ちゃったんでしょ」
『・・・』
「図星だ」
楽しそうに笑う及川から甘い匂いがする。
『何か食べてる?』
「飴ちゃん」
『うわ、いいよ口開けるな馬鹿』
中を見せてくる及川を押しのけると、思い出したようにごそごそとポケットを探る。
「いちご味とれもん味どっちがいい?」
『何、くれるの?』
「うん、どっち?」
『えーっと、れもん』
「了解。じゃあ目閉じて口開けて」
『・・・何で』
「じゃなきゃあーげない」
どうする?と首を傾げられる。
一時の羞恥心と喉のいがいが。それを天秤にかければ・・・後者だ。
「うん、いい子。あーん」
『変なこと言うな、馬鹿』
目を閉じて、口を開けて。
・・・飴じゃない、これは絶対飴じゃない。
なんで、なんで及川の顔がこんなに近い。なんで及川の口が重なってる。
なんで俺は及川に口移しされてるんだ。
飴が及川の口から移動してきたらしい。カランと音がなった。
離れる寸前、ごく当たり前のようにぺろりと舐められた。
『な、なっ』
「だってれもんでしょ?そっちは俺がもう食べちゃってたから」
『ならそう言え!いちごでも何でも良かったのに!』
「えへへ、まあいいじゃん。ごちそうさま」
『しね!ばか!変態!お前なんか風邪引いて寝込めば良いんだ!』
「はいはい、お大事に」
むかつく、なんだその余裕そうな顔。
なんで俺の顔はこんなに熱い、なんで俺の心臓はこんなにうるさい。
何なんだ、こんなの知らない。
「喉痛いよー、いがいがするよー」
『選ばせてあげるよ、れもんといちごどっちがいい?』
「ふふ、じゃあね、レモンが欲しいな」
『目瞑って、口開けて』
「はーい」
俺たちだけの秘密の交換。
風邪っぴきにはれもん味
―――――――
後半は後日談的な感じで見てもらえると・・・いいかな・・・
なかなか更新できず申し訳ありません・・・気長にお待ち頂けるとうれしいです!
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夏海 - 私も学生です!!中2です(*'‐'*)♪不登校ですけどね(;^ω^) (2015年1月11日 18時) (レス) id: 68a7985ae2 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 夏海さん» 遅れてごめんなさい・・・内緒です!学生です!笑 もうすぐおばさんかもしれないです!!笑 (2015年1月10日 19時) (レス) id: a6dbb70d76 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 幸海月さん» ほんっとに遅れてすみません・・・全然全然です!がんばります!そう言ってもらえる作品をこれからも作っていけたらと思います・・・ありがとうございます! (2015年1月10日 19時) (レス) id: a6dbb70d76 (このIDを非表示/違反報告)
夏海 - ちなみに、浅葱さんって年いくつなんですかー?(*'‐'*)♪ (2014年12月30日 22時) (レス) id: 68a7985ae2 (このIDを非表示/違反報告)
幸海月(プロフ) - 浅葱さん» 急かしてしまったようでスミマセン(-_-;)時間が、できたら更新頑張って下さい。浅葱さんの作品大好きっス(*^^*) (2014年11月22日 8時) (レス) id: 76f97dbfe2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:浅葱 | 作成日時:2014年5月22日 6時