第53話:夜食を求めて ページ21
今日も清水を無事家まで送り届けた。
その帰りは、走る。
少しずつ慣れてきた。
少しずつ早く動かせるようになってきた。よし、もう少し。
―――ブブブ
携帯が鳴った。
ディスプレイには黒尾鉄郎の名前。
『はい』
「よう」
『何?』
「いや、特に用はねえ」
なんだよ。
「暇なんだよ」
『知らないんだけど』
「?外に居んのか」
『まあね』
その時、電話の奥で声が聞こえた。
”はっ!?黒尾さんが電話してる・・・まさか彼女!?”
”本当だ!やっぱり彼女いたんだ!!”
”前の賭け覚えてます?黒尾さんに彼女いたらご飯奢るって”
”ちくしょー!!!”
『黒尾のとこの子元気だね』
「ああ、ったく・・・うるせーぞお前ら!!」
少し電話口から遠くなったかと思えば”すんません!”という声がした。
あれ、でも。
『彼女の部分否定しなくていいのか。俺彼女じゃないんだけど』
「ああ、忘れてた。ま、いいだろ」
良いの?良くない気がするけど。
そのあと、色々な話をしながら気づけば彼らの消灯時間になったらしい。
「んじゃ切るわ」
『うん、おやすみ』
「ああ」
黒尾って彼女いるのか。
意外なような、そうでもないような。
まあ、人の恋愛事情なんてどうでも良いんだけど。
* * *
「終わるまで飯抜き!!!」
帰り道。
何やら騒いでいる部員達に遭遇した。
『何やってるの』
「「Aさん!」」
『何時だと思ってるんだよ』
ため息をつく。
だって1、2年だけじゃなくて3年まで。
説明をうけた。
どうやら夜食を求めて買い出しに出たんだとか。
『晩ご飯食べたろ?』
「いやあ、ほら育ち盛りだから・・・」
『まったく・・・とにかく帰ろ。何か作ってあげるよ』
「いいんスか!?」
ああ、犬みたいな奴がいっぱい。
『って言っても簡単なものしかできないけど』
「いや、でも」
そう口ごもるのは大地。
飯抜きだと言ってしまった手前というものがあるのかもしれない。
『あ、わかった』
「?」
『明日のサーブ100本連続を早く終わらせた人から先着で好物作ってあげるよ』
「「えっ」」
それぞれが顔を見合わせた。
「「よっしゃやるぞ!!!」」
『ははっ』
どうやらやる気向上に一役買えたらしい。
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夏海 - 私も学生です!!中2です(*'‐'*)♪不登校ですけどね(;^ω^) (2015年1月11日 18時) (レス) id: 68a7985ae2 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 夏海さん» 遅れてごめんなさい・・・内緒です!学生です!笑 もうすぐおばさんかもしれないです!!笑 (2015年1月10日 19時) (レス) id: a6dbb70d76 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 幸海月さん» ほんっとに遅れてすみません・・・全然全然です!がんばります!そう言ってもらえる作品をこれからも作っていけたらと思います・・・ありがとうございます! (2015年1月10日 19時) (レス) id: a6dbb70d76 (このIDを非表示/違反報告)
夏海 - ちなみに、浅葱さんって年いくつなんですかー?(*'‐'*)♪ (2014年12月30日 22時) (レス) id: 68a7985ae2 (このIDを非表示/違反報告)
幸海月(プロフ) - 浅葱さん» 急かしてしまったようでスミマセン(-_-;)時間が、できたら更新頑張って下さい。浅葱さんの作品大好きっス(*^^*) (2014年11月22日 8時) (レス) id: 76f97dbfe2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:浅葱 | 作成日時:2014年5月22日 6時