第３話：狐、勧誘されます ページ4
外の木に登って身を預け、思いに耽っていた。
海は広い。こんなに広いのに、世間は狭い。
「おーい、狐！」
声がする。
『なあに』
「おお、そっちにいたのか」
木から飛び降りると、少しだけ驚いて何かを渡された。
「今日のウチの晩飯だ」
『？』
「家の中の冷蔵庫見たけど、大したもん入ってなかったからよ」
『悪かったね』
「ちゃんとくってんのか？」
『･･食べてるよ』
「なんだ今の間は」
手渡された皿を覗いてみる。
『うわ、すごい美味しそう･･･！』
「当然だろ、俺が作ったんだから」
『へえ、お兄さんが作ったんだ』
「おう、俺はコックだからな」
コックさんも乗ってるなんて、贅沢。
『すっごく美味しかった』
「そいつは良かった」
久しぶりにちゃんとしたご飯を食べたきがする。
『ごちそうさまでした』
「全部食ったな、おし」
俺が食べ終わるまで横で待っていたお兄さんは皿を持って帰るらしい。
『あ、ねえ』
「あ？」
『お兄さんのところの船長さんっていつもああなの？』
「ルフィか？んー、まあそうだな」
ふうん。
「あいつに目ェつけられたら、しつけェぞ」
少年のように笑うお兄さん。
『あの人はさ、俺には綺麗すぎると思うんだ』
「は？」
『なんていうか、すごくキラキラしてるから』
「そうかあ？」
『意味分からないよね、ごめんね』
「ルフィがキラキラしてんなら、オメェもそうだろ」
『俺は、違うよ』
苦笑していえば、お兄さんは余計に意味が分からなかったようだ。
「まあ、俺らはアイツとお前の決定に従うさ」
『それでいいの？』
「アイツはそういう奴だからな」
慕われているんだ。
いいな、なんか。
『美味しかったよ、ごちそうさま』
お兄さんを船まで見送った。
* * *
「Aー！！」
『なに』
「一緒に『行かない』
ここに来ては、ずっとこの話。
いい加減ワンパターンだ。
『聞くよ？』
「おう！なんだ？」
『俺が、もし海軍だったらどうする？』
「ええ！？Aって海軍なのか！？」
『違うよ』
笑うと、ルフィは腕組みをして考え出した。
『それでもルフィは俺を仲間に勧誘してくれる？』
「わかんねェけど、俺はお前がいい！！」
すごい、口説き文句。
お互い知らないことだらけなのに、どうしてこの人はこんなに真っ直ぐに。
『俺の何を気に入ってくれたの？』
「狐人間！！！」
『･･･』
本当に大丈夫なんだろうか、この人。
→
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sino(プロフ) - 面白いです！無理せず頑張って下さい！！ (2015年7月23日 12時) (
レス) id: c859159afd (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - Reginaさん» 遅れてごめんなさい！コメントありがとうございます！頑張りますありがとうございます！！ (2014年10月27日 20時) (レス) id: a6dbb70d76 (このIDを非表示/違反報告)
Regina - 面白いです!!続きも頑張ってください!! (2014年10月13日 14時) (レス) id: d693d9f1e0 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 銀狼サイアさん» 本当に遅れてごめんなさい！コメントありがとうございます！ 停滞してしまっていますが書きためはあるのでこれからがしがし更新していきたいと思います！！頑張ります！！ (2014年10月13日 8時) (レス) id: a6dbb70d76 (このIDを非表示/違反報告)
銀狼サイア(プロフ) - 面白いですね!!更新待ってます!! (2014年9月28日 9時) (レス) id: e347321cdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：浅葱 | 作成日時：2014年4月20日 11時
