第２８話：狐、無駄にはしません ページ29
「･･･行っちまった、最後までおもろいおっさんだったなー」
「あれで結構頼りになるの」
『そろそろ、行こうか』
「おう」
船が遠くに行くまで見つめる。頃合を見て、先を促す。
みんなが歩き出した時だった。
ドォオオン―――
「「『！！！？』」」
船が通っていた航路が、焼けている。
船の姿は見えない。
「そんな･･･」
「バカな･･･！！もう追手が！！？」
『･･･』
何も言わずにそちらを眺めるビビ。
「立派だった！！！」
「ナミ！！ログは」
「だ、大丈夫もうたまってる」
「A！そいつを連れてこい、船を出す！！」
返事をして、みんなより少し後ろにいたビビの元へ行く。
『行こう、君が見つかったら全部意味がなくなる』
「･･･」
炎の海をじっと見つめて、固く閉ざされた口。
「ビビ！急いで、私達が見つかったら水の泡でしょ！！？」
なかなか来ない俺たちにしびれをきらしたようにナミがビビの肩を掴む。
それと同時に、口から血が垂れた。
唇を固く噛んで、涙を流さないようにしていたなによりの証拠。
強い子だ。
「大丈夫！！あんたをちゃんと、アラバスタまで送り届ける！！」
ナミがビビを抱きしめて。
「あいつらたった４人でね･･･！"東の海"を救ったの！！」
それに、と俺の方を見た。
「こいつだって、元海軍中将なんだから！！"七武海"なんて目じゃないわ！！」
されるがままになるビビの方に向く。
『大丈夫だよ、君のことは絶対に守るから』
「！」
『唇、離して？それ以上、傷つけじゃだめだ』
言って、口から流れた血を親指で拭う。
『行こう』
「ええ･･･！」
俺の後を追うようにナミとビビも走り出した。
「あんたってさ」
『なに？』
「時々恥ずかしいくらいキザよね」
『え、そう？』
そんなつもりはなかったけど。
『女の子には常に優しくしようと思ってるよ？』
「あら、じゃあ私は？」
『優しくしてるじゃない、十分』
っていうより、俺が優しくして欲しいくらいだよ。
「何か言った？」
『いいえ、何も』
「･･･なんだか、あなたたちって」
『「ん？」』
少し後ろを走るビビが呟くように声を発する。
「海賊には見えないわ」
「そう？」
『特殊なんだと思うよ、主に船長がね』
「あんたもよ」
『あれ、そう？』
「ふふっ」
小さく笑ったビビに、思わずナミと顔を合わせた。
そういえば、イガラムさんにも同じようなこと言われたなあ。
そんな考えを巡らせながら、船への道を急いだ。
→
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sino(プロフ) - 面白いです！無理せず頑張って下さい！！ (2015年7月23日 12時) (
レス) id: c859159afd (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - Reginaさん» 遅れてごめんなさい！コメントありがとうございます！頑張りますありがとうございます！！ (2014年10月27日 20時) (レス) id: a6dbb70d76 (このIDを非表示/違反報告)
Regina - 面白いです!!続きも頑張ってください!! (2014年10月13日 14時) (レス) id: d693d9f1e0 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 銀狼サイアさん» 本当に遅れてごめんなさい！コメントありがとうございます！ 停滞してしまっていますが書きためはあるのでこれからがしがし更新していきたいと思います！！頑張ります！！ (2014年10月13日 8時) (レス) id: a6dbb70d76 (このIDを非表示/違反報告)
銀狼サイア(プロフ) - 面白いですね!!更新待ってます!! (2014年9月28日 9時) (レス) id: e347321cdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：浅葱 | 作成日時：2014年4月20日 11時
