第２１話：狐、寒さには弱いです ページ22
―――船はゆく今日の天候は冬、時々――春
"双子岬"を出た船は一路"ウイスキーピーク"を目指す。
『何なのもう信じられない』
狐の姿になってガタガタと震える。
外で遊ぶルフィやウソップを睨みながら呟いた。
俺は、どうも寒さには本当に弱い。
狐の姿になっても気休め程度しか暖かくない。
「A、その毛暖かそうじゃない」
『これ取られたら俺凍え死ぬ』
「ナミさん！恋の雪かきいかほどに！？」
「止むまで続けて」
「イエッサー！」
『･･･バカは風邪ひかないから』
「あんだと狐！！」
サンジの地獄耳。
「あんたも手伝ってきなさいよ」
『無理、俺寒いのダメだから』
「そんな暖かそうな毛持ってるくせに」
『元は人間なんだから、毛があったって寒いものは寒いの！』
でもナミもすごく寒そう。
『ナミもこっち来たら？俺の側にいれば少しは暖かいと思うけど』
「ホント？」
ガタガタと震えながら大体お腹ぐらいの位置にうずくまる。
「あ、ホントにあったかい」
「狐コルァ！！」
『コックさんがうるさい』
「ほっときなさい」
今のも聞こえるとかどれだけ地獄耳。はー、怖い怖い。
誰かが傍に居てくれた方がこっちも暖かい。
ナミを尻尾で包むように抱える。
『ナミ、俺寝る』
「はいはい、おやすみ」
俺の首元をポンポンとしてくれるそれが気持ちよくてすぐに睡魔が襲ってきた。
なにか話声もするけれど知らない。
「あーっ！！！」
『！？』
ナミの突然の大きな声に思わず起きてしまった。
「うそ･･･！！！」
呟いて、俺の湯たんぽナミは甲板へ一目散で走る。
「180度船を旋回！！急いで！！」
「180度！？なんで引き返すんだ」
「忘れ物か？」
扉閉めてよ雪入ってくる。
「違うわよ！！船がいつの間にか進路から逆走してるの！！ほんのちょっと『記録指針』から目を離したスキに！！！波は静かだったのに」
「海に遊ばれてるな」
「あなた本当に航海士？」
『ねえ寒い』
「ここでは風も空も波も雲も何一つ信用してはならない。不変のものは『記録指針』も指す方向のみ！おわかりかしら？」
『ねえ寒いったら』
「偉そうにウダってないでさっさと手伝え！！」
「「うお！！」」
「あんたもよ！！」
『痛っ！！』
二人組を足蹴にした次は、俺の番。
もう慣れてきたけどね、思いっ切り踏まれた――尻尾
「さっさと人型に戻りなさい！あいつらを手伝うのよ！！」
『えー』
「行け！！」
『はい』
うちの航海士が一番怖いと思う今日この頃。
→
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sino(プロフ) - 面白いです！無理せず頑張って下さい！！ (2015年7月23日 12時) (
レス) id: c859159afd (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - Reginaさん» 遅れてごめんなさい！コメントありがとうございます！頑張りますありがとうございます！！ (2014年10月27日 20時) (レス) id: a6dbb70d76 (このIDを非表示/違反報告)
Regina - 面白いです!!続きも頑張ってください!! (2014年10月13日 14時) (レス) id: d693d9f1e0 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 銀狼サイアさん» 本当に遅れてごめんなさい！コメントありがとうございます！ 停滞してしまっていますが書きためはあるのでこれからがしがし更新していきたいと思います！！頑張ります！！ (2014年10月13日 8時) (レス) id: a6dbb70d76 (このIDを非表示/違反報告)
銀狼サイア(プロフ) - 面白いですね!!更新待ってます!! (2014年9月28日 9時) (レス) id: e347321cdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：浅葱 | 作成日時：2014年4月20日 11時
