第１７話：狐、聞きたくありません ページ18
「しかしすげェ水路だな」
「腹にこんな風穴開けて、よく生きてんな」
『これも、遊び心？』
「医者の遊び心だ、間違えるな」
クロッカスさんは岬で診療所をやっていたそうだ。
船医の経験もあるらしい。
その言葉で目が輝くルフィ。
「じゃ、うちの船医になってくれ」
「バカいえ、私にはもうお前らのように無茶をやる気力はない」
バズーカの弾に突っ込んでおいて、よく言う。
「医者か･･･それでクジラの体の中に！」
「そういうことだ。これだけデカくなってしまうともう外からの治療は不可能なのだ」
出口が開く。
良かった、出口が下の方になくて･･･色々考えちゃったし。
「フーッ出たァ！！本物の空！！！」
普段通りの景色に微笑む。
ふと、彼らに気づく。
『この人たちどうする？』
「捨てておけ、その辺に」
『了解』
このまま落とすのは可哀想だから、一応ロープは外してあげよう。
そうして、―――ポーン
ルフィと言い合った後、泳いで去っていく二人組。
うわー泳ぐのはやー。
「ミス・ウェンズデーか、なんて謎めいた女なんだ」
『･･･』
語尾に加えて目もハートになって海を眺めるサンジを冷めた目で見つめる俺。
「あ？なんだよ」
『サンジって、ほんとに誰でもいいんだね？』
「いいわけねェだろ、麗しきレディだけだ」
『ふうん』
基準がよくわからない。
･･･まあ、確かにあの子は可愛かったけど。
サンジみたいにはなりたくない。
* * *
「しかし、50年もこの岬でね」
「まだその仲間の帰りを信じてんのか」
「ずいぶん待たせるんだなー、その海賊達も」
呑気に言うルフィ。
「バーカ、ここは"偉大なる航路"だぞ」
それに答えを返したのはサンジだ。
「２・３年で戻るっつった奴らが50年も帰らねェんだ･･･もう答えは出てる」
一拍あって放たれたそれは、とても残酷な真実で。
「死んでんだよ、いつまで纏うが帰って来やしねェ･･････！！」
『･･････』
気づいたら、イスから立ち上がっていた。
もう、聞きたくない―――
「どこ行くんだ」
『ラブーンのところ』
「そうか」
短くゾロに返事をして、言葉通りにラブーンのところへ向かう。
「彼はどうしたのだ」
「気にすんな」
そんなクロッカスさんとゾロの会話が聞こえた気がした。
→
第１８話：狐、少しだけ力を出します→←第１６話：狐、昔話です
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sino(プロフ) - 面白いです！無理せず頑張って下さい！！ (2015年7月23日 12時) (
レス) id: c859159afd (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - Reginaさん» 遅れてごめんなさい！コメントありがとうございます！頑張りますありがとうございます！！ (2014年10月27日 20時) (レス) id: a6dbb70d76 (このIDを非表示/違反報告)
Regina - 面白いです!!続きも頑張ってください!! (2014年10月13日 14時) (レス) id: d693d9f1e0 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 銀狼サイアさん» 本当に遅れてごめんなさい！コメントありがとうございます！ 停滞してしまっていますが書きためはあるのでこれからがしがし更新していきたいと思います！！頑張ります！！ (2014年10月13日 8時) (レス) id: a6dbb70d76 (このIDを非表示/違反報告)
銀狼サイア(プロフ) - 面白いですね!!更新待ってます!! (2014年9月28日 9時) (レス) id: e347321cdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：浅葱 | 作成日時：2014年4月20日 11時
