第２８話：代わりにやりましょう ページ30
「大路、いつまで寝てんだよ」
『え』
「もう授業終わったぞ」
肩を揺すられてびっくりして飛び起きた。
あ、本当だ。もう授業も終わりで帰宅時間。
「お前最近よく寝てるよな」
「山田めっちゃ睨んでたぜ？」
『えー愛想振りまいとかなきゃ』
「大路が言うと何かリアルだからやめろ」
リアルって何だリアルって。
笑いながら、帰宅の準備に入る。
「じゃ俺らもう行くわ」
『おー、練習頑張れサッカー部』
軽く手を挙げて教室を出て行く友人たちを見送った。
俺もそろそろ行かなくちゃ。
「あれ、菅原」
「A居る？」
『居るよー！』
廊下から聞こえた孝支と友人たちの会話。
少し声を張れば、キョロキョロしながら教室に入って来た。
『孝支？』
「えっ何？」
『それはこっちの台詞だよ。どうした？』
「･･･」
行こ。
うつむきながら、暗い表情をしている孝支の腕を引いた。
* * *
『旭に？』
「うん･･･あいつ、バレー嫌いになっちゃったのかな」
部室で着替えながら、孝支は今日あったことを話してくれた。
部室には俺たち以外に誰も居ない。
誰かが入ってくるかもしれなかったけど、孝支がここで良いというから。
ついさっきだ。
３年３組の東峰旭を訪ねた孝支は、部活に戻ってくれ、と説得したらしい。
でも「俺が戻っても足を引っ張るだけだから」と、困ったように笑っただけだった。
「ごめんな、暗い話になっちゃって」
『いいよ。俺も部員で仲間でマネージャーなんだから、頼ってよ』
首を傾げると、「ありがとう」と笑う。
『よし、今度は俺が行くよ』
「えっ」
『旭と話してくる』
「でもっ」
小さく声を漏らす孝支を睨んだ。
『俺をのけものにする気なの？俺に話させてよ』
「A･･･うん、そうだね、お願い」
苦笑して、諦めたように言う。
最後にジャージの上を羽織って、着替えを終えた。
『あいつまだ居るよね、きっと』
「たぶん･･･って、今から行くの！？」
『早いほうがいいでしょ？行ってくるよ』
ね？と笑う。
まだどうにかして俺を止めさせようとしているらしい孝支を置いて、先に部室を出た。
その扉を潜る時に、ちらりと視線を向ける。
『俺だって、みんなの役に立ちたいんだよ』
「A･･････」
行ってくるよ、とだけ残して、まだ奴が居るであろう教室へと向かった。
「･･･やっぱり、Aに話して良かった」
そんな孝支の囁きは、俺には届かなかったけれど。
→
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☆神雲☆ - すっ…………菅さん………、天使……… (2017年11月23日 22時) (
レス) id: 31a5141faf (このIDを非表示/違反報告)
炎人氷柱眼帯歌唄お鈴虹猫の姫君(プロフ) - 浅ちゃん、うん忙しいからしたかないよ、更新頑張ってね！ (2014年10月13日 16時) (レス) id: 2e52a946c5 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 炎人氷柱眼帯歌唄お鈴虹猫の姫君さん» 姫ちゃん！！遅れてごめんね！！ひさしぶり！！！！ (2014年10月13日 8時) (レス) id: a6dbb70d76 (このIDを非表示/違反報告)
炎人氷柱眼帯歌唄お鈴虹猫の姫君(プロフ) - 浅ちゃああああん！！久々！ (2014年9月24日 16時) (レス) id: 5382ccf214 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 黒宇佐さん» コメントありがとうございます！黒尾さん格好良いですよね！！もしここのお話にあのかっこよさが表現できていたら嬉しいです･･･！本編にもそろそろ登場だと思うので、ぜひぜひよろしくお願いします！！！ (2014年6月3日 5時) (レス) id: a6dbb70d76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：浅葱 | 作成日時：2014年4月6日 17時
