第２１話：最初の決意表明 ページ23
「Aの方から俺たちを誘ってくれるなんて珍しいよね」
顔を見合わせたのは大地と孝支と清水。
昼休みに彼らを裏庭に呼び出した。
呼び出した目的は言わずもがな、昨日の決意を話すため。
一足先に先生には報告した。
先生は驚いた様子もなく、「そうですか」と微笑んだだけだった。
なんだか手のひらの上で転がされたような気がしないでもないけれど。
だから今度は、ずっと俺を待っていてくれた奴ら。
『よく聞けお前ら』
「お、おう」
「え？これからなにされるの？」
呼び出したはいいけど、どうやって伝えたらいいのかが全く分からない。
「A」
『今話す』
「ゆっくりでいい」
ふんわりと笑う清水に、ふっと肩の力が抜けた。
マネってこういうの。美人で優しくて、仕事ができて。
あ、やっぱり自信なくなってきた。
「えっちょっと本当になに？どうしたの？」
心配したように孝支が顔を覗き込む。
なんとなく顔を見られたくなくて、背けた。
でも、言わなきゃ。
『あのさ』
「うん」
『戻りたい』
「へ？」
『バレー部にもう一度』
顔を背けているから、奴らの顔は見えない。
それにすごく不安感を覚えて視線を正面に戻した。
『あの、』
「･･･ばか」
『えっ』
痛！
清水に頭を叩かれた。
「遅い」
『あ、え、ごめん』
むっとしながら言う清水に、反射的に謝る。
「A！！」
『わっ』
「おかえり！！」
今度は抱きつかれた。孝支だ。
ふんぞり返りそうになるのを、なんとか食い止めて。
そっか、”おかえり”か。
その言葉が繰り返される。いいな、なんか。
『ありがと、孝支』
うれしくて、うれしくて。
自分と同じくらいのところにある頭を撫でた。
「A」
『大地』
今度は大地が俺の頭に手を置いて、同じように撫でる。
「おかえり」
『･･･ただいま！』
いつもの黒い笑みなんかじゃなくて、にっこりと笑う大地。
それがやっぱり嬉しくて、俺も笑顔を返した。
待っててくれて、ありがとう。
俺のことを仲間だと思ってくれていて、ありがとう。
「よーしっ今日はお祝いだ！」
『えっなにそれ』
「いいね！Aのおごりで中華まん食べよう！」
『しかも俺の奢り！？』
「ごちそうさま」
『うっ』
笑顔で言われれば、しょうがないな、と肩を落とす。
しょうがない、と思えるほどに嬉しくて楽しいんだから、しょうがない。
『よーっし、俺も食べるぞー！』
「おー！！」
みんなで顔を見合わせて笑った。
→
第２２話：賑やかさ倍増→←番外編：女王様の素顔 及川※ぬるいR-15
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☆神雲☆ - すっ…………菅さん………、天使……… (2017年11月23日 22時) (
レス) id: 31a5141faf (このIDを非表示/違反報告)
炎人氷柱眼帯歌唄お鈴虹猫の姫君(プロフ) - 浅ちゃん、うん忙しいからしたかないよ、更新頑張ってね！ (2014年10月13日 16時) (レス) id: 2e52a946c5 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 炎人氷柱眼帯歌唄お鈴虹猫の姫君さん» 姫ちゃん！！遅れてごめんね！！ひさしぶり！！！！ (2014年10月13日 8時) (レス) id: a6dbb70d76 (このIDを非表示/違反報告)
炎人氷柱眼帯歌唄お鈴虹猫の姫君(プロフ) - 浅ちゃああああん！！久々！ (2014年9月24日 16時) (レス) id: 5382ccf214 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 黒宇佐さん» コメントありがとうございます！黒尾さん格好良いですよね！！もしここのお話にあのかっこよさが表現できていたら嬉しいです･･･！本編にもそろそろ登場だと思うので、ぜひぜひよろしくお願いします！！！ (2014年6月3日 5時) (レス) id: a6dbb70d76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：浅葱 | 作成日時：2014年4月6日 17時
