第１２話：まじめに茶化して ページ13
『いや、まあ助かった･･･ような気がする』
「えーそれが恩人への態度？」
思わず舌打ち。
不気味な笑顔を浮かべる――及川徹、青城の正セッター。
おかしいと思った。コイツが居ないから。
『サボり？』
「いやちょっと怪我？」
思わず声を漏らした。
『大丈夫なの？』
「心配してくれるの？」
『違うよ、でも怪我で出れないとかダメだろ』
「そうだね、ごめん。大丈夫だよ、軽い捻挫だから」
『ドジ』
「ひどっ」
歩き出そうとして及川が俺の腕を引いて止めた。
「待って」
引かれた勢いで背中を壁に打った。
「足どう？」
『もう治ってるって』
顔の横に置かれた手。なんだこの状況。
こういうの、女子なら騒ぐのかな。そういう場面を想像して顔をしかめた。
『触るな』
片方の手が足を触る。ちょうど怪我のところ。
「おまじないだよ、早く治るように」
『治ってるってば。気色悪いことするな』
「うわひどっ」
茶化しているようでしっかり見ている及川が苦手だ。
奴の胸のあたりを押し返すとケラケラと笑ってすぐにどいた。
「ほらほら行くよ、王子様」
『王子言うな』
「何ならおぶってあげてもいいんだよ？」
『…』
無言で頭を叩いて、歩き出す。
「そっちじゃないよ」
『･･･』
「相変わらず方向音痴なんだね」
『違う』
「ほっとけないな」
『うるせえ』
「口悪い王子様も良いよね」
『きもい…』
さっき目指していたのと反対方向に歩き出す。
後ろから呼ぶ声が聞こえたけど無視。
* * *
「飛雄ちゃん入ったでしょ」
隣に並ぶ及川が女子生徒に手を振りながら言う。
俺も営業スマイルを浮かべながらその名前を頭に浮かべた。
『あ、影山か』
「どう？」
『どうって･･･あー同じ中学か。あいつって中学の時からああなの？』
「孤独な王様ってやつ？」
『違う。あいつはもう孤独じゃないよ』
「ふうん」
どこか面白くなさそうにつぶやく。
意味わからなくて、首をかしげた。
『あんなに上手かったのかって聞いてるの』
「天才だからね」
『トゲあるな』
「いや？」
否定してないし。
『影山のトスでバレーしてみたかったなあ』
「それ本人に言ってやれば？」
『何拗ねてるの』
拗ねてないよ。
そう言う及川の顔は説得力の欠片も無い。
『及川のトスも嫌いじゃないけどね』
「えっ」
『なに？』
急に立ち止まるからびっくりした。
「王子様がデレてくれた！」
『･･･馬鹿』
溜息を吐いた。
「あ、ちょっと待ってよ！」
放置、放置。
→
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☆神雲☆ - すっ…………菅さん………、天使……… (2017年11月23日 22時) (
レス) id: 31a5141faf (このIDを非表示/違反報告)
炎人氷柱眼帯歌唄お鈴虹猫の姫君(プロフ) - 浅ちゃん、うん忙しいからしたかないよ、更新頑張ってね！ (2014年10月13日 16時) (レス) id: 2e52a946c5 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 炎人氷柱眼帯歌唄お鈴虹猫の姫君さん» 姫ちゃん！！遅れてごめんね！！ひさしぶり！！！！ (2014年10月13日 8時) (レス) id: a6dbb70d76 (このIDを非表示/違反報告)
炎人氷柱眼帯歌唄お鈴虹猫の姫君(プロフ) - 浅ちゃああああん！！久々！ (2014年9月24日 16時) (レス) id: 5382ccf214 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 黒宇佐さん» コメントありがとうございます！黒尾さん格好良いですよね！！もしここのお話にあのかっこよさが表現できていたら嬉しいです･･･！本編にもそろそろ登場だと思うので、ぜひぜひよろしくお願いします！！！ (2014年6月3日 5時) (レス) id: a6dbb70d76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：浅葱 | 作成日時：2014年4月6日 17時
