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第10話:1番怖いこと ページ11

それからの日向は散々だった。

「青葉城西にタッチネット!」

やっとポイントが動いたが向こうのセットポイント。

「いい加減その緊張やめろォォ」
「好きで緊張してんじゃないだろバカか!」

コートの外から必死になだめる。
しかしサーブは日向、大丈夫か。

『日向落ち着いてけー!』

こくこく、と頷いてじっとボールをみる。
そしてホイッスル。

「あっ」

日向のサーブはそのまま頭に激突した。
よりによって、影山の――

『ぶっはははっ』
「ぅオイ後頭部大丈夫か!!」
「ナイス後頭部!!」
「煽るのもダメだっつーの!!」

もうだめだお腹痛い。笑いすぎて涙出てきた。

『!?』

目が合ったのは影山本人。
おい、落ち着け。瞳孔開いてるから。



しかしゆらりと日向の方へ近づいていく。

「あっオイ影山っ」
「まま待て、話せばわかるっ」

足音がしない歩き方で近寄ると、ぴたっと日向の前で止まって沈黙。

「お前さ」
「ッ・・・ハイ」
「一体何にそんなに緊張してんの?相手がデカイこと?初めての練習試合だから?」

こちらから影山の表情は見えない。
けど脂汗まみれの日向の表情でだいたいの予想は出来る。

「俺の後頭部にサーブをブチ込む以上に恐いことってなに?」
「とくにおもいあたりません」
「じゃあもう緊張する理由はないよなあ!もうたっちまったもんなあ!一番恐いこと!」

自分の後頭部を叩く影山は恐怖。

「じゃあとっとと通常運転に戻れバカヤローッ!!!」
「・・・今のヘマはセーフ!?」
「は!?なんのハナシだ」

なんてことか、影山は俺の目の前に立ちはだかった。


「大路さん」
『はい』
「さっき笑ってましたね」
『えーっと、ほら』

全く言葉が出てこない。
さっきの日向の怯えようを見ていたせいだ。
あと瞳孔ひらきっぱなしの目。

『あー頭大丈夫か?』
「あんなへなちょこサーブ平気っス」
『そう言うなって、見せて』

腕を引くと渋々膝を折る。

『何もなってないな、違和感あったら言いえよ』

これ以上頭悪くなったら困るだろ。
そう笑うと影山は不満そうに小さく返事をした。


「ちょ!!Aさん!!俺がカッケーこと言ってンのに聞いてないンすか!!?」
『えっ聞いてたよ!龍かっこいいー』
「マジっスか!!?」

全く聞いていなかったけど。

『よし行ってこい!』

背中を叩くと痛いっす、と呟いてコートに戻った。

「やっぱりウチにはAが必要だよ」
『何でさ』

隣から視線を向ける孝支に小さく笑った。


第11話:この衝動に名前を→←第9話:練習試合



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☆神雲☆ - すっ…………菅さん………、天使……… (2017年11月23日 22時) (レス) id: 31a5141faf (このIDを非表示/違反報告)
炎人氷柱眼帯歌唄お鈴虹猫の姫君(プロフ) - 浅ちゃん、うん忙しいからしたかないよ、更新頑張ってね! (2014年10月13日 16時) (レス) id: 2e52a946c5 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 炎人氷柱眼帯歌唄お鈴虹猫の姫君さん» 姫ちゃん!!遅れてごめんね!!ひさしぶり!!!! (2014年10月13日 8時) (レス) id: a6dbb70d76 (このIDを非表示/違反報告)
炎人氷柱眼帯歌唄お鈴虹猫の姫君(プロフ) - 浅ちゃああああん!!久々! (2014年9月24日 16時) (レス) id: 5382ccf214 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 黒宇佐さん» コメントありがとうございます!黒尾さん格好良いですよね!!もしここのお話にあのかっこよさが表現できていたら嬉しいです・・・!本編にもそろそろ登場だと思うので、ぜひぜひよろしくお願いします!!! (2014年6月3日 5時) (レス) id: a6dbb70d76 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:浅葱 | 作成日時:2014年4月6日 17時

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