パズルバース 8 (ページ20)

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腫れた頬ページ20

「あら、紫淋さん、お久しぶりですね」
「はい、お久しぶりです」
僕は黄瓶さんの教会を訪れていた。
黄瓶さんが僕の顔を覗き込み、おや、と呟いた。
「何かありましたか?」
苦笑する。僕の頬は赤く腫れていた。そうだろう。先程親に平手で打たれたのだ。
何故とどめを刺さなかったのか、と言われた。東暁という大佐が生きていれば、いつか復讐されるぞ、とも。
けれど、僕はあまり心配していなかった。大佐は僕にひどいことをできない。前世の記憶があるから。
──というのはさすがに話していない。荒唐無稽な話だ。信じてもらおうとも思わない。
このことは僕の中にだけ仕舞っておこう。そう改めて決意すると、黄瓶さんが保冷剤を持ってきたので、頬に宛がった。少しひりひりと痛かったが、ひんやり心地よくもあった。

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