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蒼生の独白 ページ12
「やっぱり、そうなるよね」
僕はカッターを持つ蒼生の手を締め上げながら、冷えた目で蒼生を見つめた。
蒼生は悔しそうに、悲しそうに、独白する。
「青夢が、俺を見てくれないんだ」
絞り出すような声には悲壮が滲んでいた。
「紫淋、君と出会ってから、青夢は変わってしまった。君がいれば君だけを見つめる。君がいなくとも、会話をしていれば君の話題ばかり。
青夢と他愛のない話をできるだけで俺はいいんだ。でも、青夢が俺を見てくれないのは嫌だ。いや……青夢の目が、俺以外を映すのが、嫌なんだ。
だから、青夢の前から消えてくれ。青夢の中で死んでくれ。お願いだよ、紫淋。俺たち、友達だろ……?」
非の打ち所がないくらいあからさまにこれは暴走だった。だが、僕は軍人で蒼生は素人。対処は簡単だった。現に、蒼生は締め上げられた腕をどうにもできないでいる。
苦しそうな蒼生を僕は救えない。
ただ、こう言った。
「元から、消えてやるつもりだよ」
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作者名：九JACK | 作成日時：2019年4月21日 1時
