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教会 ページ6
その教会は変わった教会だった。
普通の教会のようにステンドグラスや壁画で美しく飾り立てられることはなく、曇りガラスが張られている。曇りガラスは少しクリームのような黄色みを帯びた白で、教会の中に降り注ぐ光は森の木漏れ日のように優しい。
そして、この教会には壁画もない。色彩というものに欠けている、一見するとモノクロの空間。
色が排除されたその空間には、神子と呼ばれる神父さまが一人いる。見た目は灰色の髪に金色の目で、神子と呼ばれるのも納得のいく容姿の整い具合だ。牧師の服を着ていなかったら、女性に見えるだろう。その人はその上からケープを羽織っているので、体のラインがわからなくて、尚のこと女性に見えるのだけれど、男だ。
来客の気配にその神子──黄瓶(キミカ)さんが出てくる。
「あら、紫淋さん、今日もいらしたんですね」
「はい、こんにちは」
この人こそが、パズル、ピース、フレーム、という人種の区別を行ったとされる人物だ。
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作者名:九JACK | 作成日時:2019年3月24日 13時