今日:5 hit、昨日:10 hit、合計:8,290 hit
小|中|大
パズルの在り方 ページ26
受付に「紫淋です」と名乗ればすぐに通された。教会に通いつめていた僕は、黄瓶さんを介してこの会社の元締めとは知り合いだから。
それにこの支部の支部長は──
社長室に案内される。そこには、金髪に琥珀の目の麗人がいた。
「お久しぶりですね、紫淋さん」
恭しく一礼をした彼女の名はルチル・タルデス。名前からわかる通りタルデス社の元締め……の妻である。
少し、タルデス夫妻の話をしよう。
ルチルさんは夫のイリクさんとは学生時代に出会ったらしい。旧姓はラミアス。彼女もまた、一企業の社長令嬢で、イリクさんとは学年一位二位を争うほど優秀な人間である。
優秀な人間であるほど、パズルである可能性は高い。
事実、黄瓶さんによれば二人は二人共パズルであったらしいが……二人は惹かれ合った。
強いパズルは大きな心の欠片を求めるのは以前話した通りだ。それが二人の場合はパズル同士で欠落を補い合った。
大きく欠けたパズルは時に大きなピースとなりうるという一例である。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
8人がお気に入り
8人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:九JACK | 作成日時:2019年3月24日 13時