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任務 ページ14
僕に与えられた任務はただの潜入調査だけではない。
あちらの軍の優秀な士官を一人、暗殺しなければならない。
「暗殺? カッコいい!」
などと燈狩さんは言うが。そんないい仕事でもないし、軽い仕事でもない。
「なるほど、それは大変ですね」
黄瓶さんは気づいてくれたようだ。黙っているが赤梨さんも気づいただろう。
士官を殺す。そんなことまでしなければならないくらい、切羽詰まっているということだ。
それにこんな重大な任務をされているということはつまり──軍からも期待されているということだ。パズルとして。
国までをも欺いていることに一欠片の罪悪感も感じない、ということは僕にはできない。どんどん僕の嘘は規模が広がる。僕が優秀であればあるほど、僕は自分の首を絞めていく。
「あまり思い詰めないでくださいね」
黄瓶さんの言葉に上手く頷けず、僕は教会を去った。
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作者名:九JACK | 作成日時:2019年3月24日 13時