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隠匿 ページ12
「……ええ」
黄瓶さんは神妙な面持ちで頷いた。
黄瓶さんの目は僕の目と同じで特別製だ。パズル種を間違えたことがない。
けれど、そのことは両親には告げていない。
黄瓶さん曰く。
「パズル性はごく稀にですが、思春期に変化することがあります。紫淋さんも、もしかしたらピースからパズルに変化する可能性はあるのです。ご両親がパズルだと思っているなら、そう思わせておいた方が幸せというものでしょう」
「はい、僕もそう思います」
燈狩さんや赤梨さんのように既にパズルとピースの誓いを交わした子どもは変化しないらしいが、ごく稀に、僕らの年代でパズルからピースに、ピースからパズルに変わることがあるらしい。黄瓶さんはこの国の変遷の中で数十年見てきて、二、三しか実例がないらしいが、〇ではない。夢を持たせるのは悪いことではないと思う。
……ただ、僕がパズルを演じ続けるのが大変なだけで。
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作者名:九JACK | 作成日時:2019年3月24日 13時