【全完結】佐藤鈴木田中参 (ページ20)

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「私、可哀想な子だった。」

「……。」

「今まで授業参観に来てもらったことも、お母さんの手作り料理を食べたことも、休みの日にどこかへ一緒に出かけたこともないの。」

「……。」

「幸せそうな周りの子を見て、私は可哀想な子なんだなぁ。って思った。」

他人事のように、自分の言葉で自分の話をするヒノエを
マサムネは相槌も何の反応を示さずに、ただ黙って聞いた

「お母さんに娘として見て貰ったことが無かったの。」

「……。」

「でもお母さんのことは嫌いじゃなかった。夜のお店で働くお母さんはすごく綺麗で私の憧れだった。」

「……。」

「それでさ、私が中２の春を迎えた頃にお母さん…悪いホストに引っかかったの。……そりゃもう莫大な借金抱えてさぁ……なんでか知らないけど、私もお酒でご奉仕するお店で働いたの。」

「……。」

「要するに、私はお母さんに売られたの。物として使われた。」

「……。」