Kiばかりの妄想小話

K.彼の好きな俺 -1 ページ8

■FxK 甘
───



「ん、んん？」


頬をつままれている。




なに？

と聞こうとしたら
開いた口にぬるりと舌が入ってきた。




ぁー…

上顎を舐められぞくりとするものの
体が動かない。




「きもひいー…」

「ん、ちゅ、…北山起きた？」


「おー」



いいから、もっと。



半分も開いてない目で藤ヶ谷を見つけ

ちょいちょいと手招きしたら
へにゃ、と眉をハの字にして笑った。





「悪かったな、体平気？」

「おー、なめんな」


「…よかった」





さっきまでの行動が嘘だったかのようだ。



甘い言葉に優しい手のひら。

溶けそう…。



でも欲しいのはそれじゃない。





「なんか、らしくないじゃん？どったの？？」


「あは(笑)
　無理させたこと？優しいこと？」

「……どっちも。」





髪をすくようにやわやわと撫でていた手が
笑いを合図に幾分乱暴に変わる。





「ほんと、悪ぃ。抑えらんなかった」

「いいって(笑) あんなんが好きなの？」


「どう…だろう？

　北山を…壊したら、自分のになるかなって
　ずっと考えてる」



腰も抜けたようなもんだし
どれくらいか、意識もなくすような快感。



俺は藤ヶ谷のものになったのだろうか？



それ以前に、

こんなことまでする仲で
コイツの中で俺はいまだ手に入っていない、と？






「泣いてる北山見てたら
　俺が先に壊れちゃった…。ごめんね」


「なっ…泣いてねーから…」



「うん。かわいかった」


「……うぜー。

　そんなにかわいいのがいいなら
　そういう相手選べば？」





う。





ムカついたのもあるけど

今のは自分でも嫌な言い方だったな…



それで、はいそうですね、
って返されたらどうすんだよ



でもやっぱりムカつくし、撤回できない。

動揺を悟られないよう目一杯眉間にシワを寄せて睨む。




きょとんとした藤ヶ谷は

俺の発言を理解したのか、同じようにシワを寄せる。



「……。」

「……なぁ、北山……」





や、べ…。地雷だった？





本当は藤ヶ谷は薄々そう思ってたんだろうか。





どうすべきか逡巡していたら

藤ヶ谷が体を起こして動き始めた。





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