Kiばかりの妄想小話

S.大好き、兄さん -2 ページ38

「てめぇ！！何笑ってんだ！！」



階段をドカドカ降りてきたこの人が、

長男の、ヒロミツ。



俺とガヤさんは小さい頃家族になったんだけど
ヒロミツは彼が高校生の頃。



だからか、ちょっと空気ががさつ……。

んでもって、ガヤさんととても仲が悪い。





「プクク、北山"お兄ちゃん"♪」

「ニカぁ！！こいつ俺より下だかんな？！」

「えっ？あ、ご、ごめん！てっきり……」




間違えたのはニカなんだけど

それを笑うガヤさんと睨みあうヒロミツ





「ちょ、にか！
　あの二人仲悪いんだから突っつかないで」


「わ、悪い……ミツでも怒ることあるんだぁ……」




ｺｼｮｺｼｮ話してるとヒロミツがくるりとこちらを向く。




「ニカ、俺に用なの？ケントじゃなくて？？」

「あ、うん！
　あのさ、俺と付き合ってよ！」



「おー？おごらねぇぞ？」

「ちがーう！バレンタイン前に俺の恋人になって♡」



「……はぁ？？」



ヒロミツが目を丸くしてるんだけど
ニカは結婚まで目指してるみたいだよ？








「んなもんいい訳ねーだろ
　おい北山！変なもんつれてくんな！」


「俺が呼んだわけじゃねーよ！」


「ニカがヒロミツに会いたいって言うから……」




「「け、ケントか……ごめん」」




なぜか仲が悪い彼らだけれど、俺には甘い。


ヒロミツから見て俺とガヤさんは何が違うんだろ？
同じように育って似た空気なはずなんだけど。





「こんな馬鹿と付き合うなよ？
　俺の家の品格に関わるから。只でさえお前いんのに」


「んぎぎ……頭固ぇんだよ、外面ばっか！」




本格的な言い合いに発展

ピリピリする空気に、ニカを連れて少し離れる。




「何、本気で言ってんの？」

「そんな生き方息苦しいだろ。もっと自由に……」



「ふぅん。それなら、俺と付き合えよ」

「…………は？」



「好きにしていいんだろ？」

「え、や、そりゃさすがに、世間体つーのが……」



「お前、さっき何言ったかわかってる？
　外面が何だって？」

「う……ぐ、ぐ」





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