Kiばかりの妄想小話

T.玉ちゃんが言うなら -1 ページ18

■TxK
───

「みんな玉ちゃんに甘すぎる！」

そのみんなは突っ込んだはずだ。



ミツは代表格の一人だよ、って。







だって俺が何言っても叶えてくれるし。



「玉ちゃんがそう言うなら」



甘くて、優しくて、残酷だ。









「ご飯奢って？」

「ブレスかっこいいね？ちょーだい♡」

「ミツ、俺と付き合って」



全部、反応は同じ。



悩むことなく、少し困った顔をしつつも
最後は笑顔でいつものセリフ。






その時は気づいてなかったんだ



ただ、ただ幸せだった。








「手、つなご？」


「ミツ、目瞑って」


「……今日は、帰らない、よね？」





こんな段階で気づくなんて。





もっと早ければお互い傷つかなかったのに

ミツはそのどれにだって迷わず返答をした。






そんな軽いことじゃないんだよ。



少なくとも、俺にとっては、そうだった。

けど、ミツにとってそうではなかった。






忙しいだろうタイミングで夜に誘っても

逆に、
約束をした朝になってすっぽかしても

もう答えなんて聞かなくてもわかってたし
それが外れることはなかった。



「玉ちゃんがそう言うなら」






ミツは優しいから。


ごめんね、つけこんでたみたい。








最近お互い忙しくてなかなか会えないし

しばらくそんな感じだろうから好都合かも。



忙しさで、忘れられる。









いつものグループでの撮影前に
少しだけ早く来てもらって話そう。





「悪ぃ、時間取れなくてこんな早くになっちゃって」

「ううん、大丈夫。ミツにお願いが……」



「あっはは改まってなんだよメールでだって、」

「別れよう？」



「……へ」

「ごめんね」





「…お、おぅ！気にすんなって！
　玉ちゃんが、そう、言うなら」


「っ！！」






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