38話 ページ39
No side
本丸に一同が戻ると、出陣組も帰還していたため総勢が揃っていた。
鶴丸に抱えられた審神者は気を失っており、血が流れている上に着物はボロボロだった。
傷だらけの審神者を見た途端に本丸は揺れる程の動揺と叫び声に包まれ、しばし怒号と泣き声が絶えず大変な時間を過ごした。
加州「はい、みんな集合ー……ってずっとそこにいたか」
審神者部屋から出てきた加州
加州からの指示が出る前から全ての刀剣が審神者部屋の前で沈痛な面持ちで控えていた。
乱だけが彼女の傍に残り、残りの者はみんな大広間へ移動する。
加州「何があったのかはみんな聞いたよね。…主が、他本丸の男の審神者から拉致を目的とした襲撃を受けた」
意識を取り戻した審神者は全てを加州と乱に話し、他の刀剣たちに伝えるよう頼んだ。
擦り傷と少々の斬り傷、左足の軽い捻挫に出血を伴う打撲が彼女の負った怪我だった。
その容態を聞いた彼らは唇を噛み締め、思わず目を閉じた。
加州「敵の目的は二つあった。一つ目は主の霊力が欲しかったから。もう一つは…主との、結婚」
「「「結婚!!?」」」
鶴丸「安心しろ。俺が斬った」
鶴丸に向けて沸き起こる拍手
しかし一つ目の理由である「霊力」に違和感を感じ、小狐丸が問う。
小狐丸「人間の彼になぜ主さまの霊力が必要なのですか?」
加州「…それは…俺も、ちょっと信じらんないんだけどさ……どうやら彼奴、不正な実験で…
……自分を、俺らと同じように神にしようとしてたんだって」
【人間の神格化】
予想を遙かに超える話に思わず刀の付喪神たちはあんぐりと口を開けた。
和泉守「……其奴は殺したんだろうな?」
鶴丸「斬ったが殺してはいない。…いくら大罪人で俺たちの主を傷つけたといえども、あの子の前で人を殺すわけにはいかんだろう」
加州「取り敢えず禁忌を侵したわけだし、いろいろヤバいことしてるからね。政府が厳重に処理してるとこらしいよ」
和泉守「…そうか」
殺気を秘めた和泉守の瞳の中に深い悲しみの色を見つけ、堀川は静かに目を伏せた。
ずっと口を真一文字に結んでいた骨喰が皆の2番目の心配事をそっと紡いだ。
骨喰「……俺たちのこと、また怖くなったのだろうか」
1234人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
奥山乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します!出来たら全員のキャラに愛されたいです!(恋愛的に)あと落ちは出来れば全員落ちみたいなのが見てみたいです!無理せずに頑張ってくださいね! (2022年12月19日 12時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
ぱや(プロフ) - れもねーどさん» ありがとうございます、とても嬉しいですっ!!続編を読んでの全体の感想などいただけると更に嬉しいです!続編もよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年5月26日 23時) (レス) id: 855b0898b1 (このIDを非表示/違反報告)
れもねーど - めっさ面白かったです!思わず一気読みしてしまいました…。これから続編読んできます! (2019年5月25日 20時) (レス) id: 7f42fd7b15 (このIDを非表示/違反報告)
湖@清光可愛い鯰尾君可愛い亀ちゃん大好き!!! - お、面白過ぎです!面白過ぎて一気に読んじゃいました!続編も見ますね! (2018年1月26日 22時) (レス) id: 073b3b6cdc (このIDを非表示/違反報告)
ぱや(プロフ) - 栗鼠さん» わあぁぁぁ!いやもうそのお言葉がなんていうかめちゃめちゃ嬉しいです…!ありがとうございます、頑張ります! (2017年11月24日 20時) (レス) id: ab4af77f12 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぱや | 作成日時:2017年10月20日 20時