20話 ページ21
歌仙side
蜻蛉切「何やら嬉しそうですな、歌仙殿」
歌仙「！………顔に出てたかい？」
蜻蛉切「ええ。桜も少々舞っておりましたので」
歌仙「……見なかったことにしてくれ」
朝餉を終えて食器の片付けを手伝う蜻蛉切にそう言われ、思わず目を伏せる。
バレバレじゃないか、僕。
蜻蛉切「…歌仙殿にひとつ、お伺いしたいことがありまして」
歌仙「ん？どうしたんだい？」
蜻蛉切「歌仙殿は…どうやって主と仲良くなられたのですか？」
ああ…この質問、小狐丸にも以前されたっけ。
大きな身体を縮こめ、ひそりと尋ねてくる彼らはガタイに似合わずかわいらしく感じる。
小狐丸のときと同じ答えを蜻蛉切に返した。
歌仙「僕と主は感覚が似ているところがあるからね。それに料理の影響は大きい気がするな」
蜻蛉切「感覚……雅な心や芸術心などでしょうか？」
歌仙「うん、そんな感じかな」
蜻蛉切「なるほど…それでは……………料理を…教えていただけないでしょうか？」
雅な心ではなく料理を取った蜻蛉切
まあ、感覚なんかはすぐに身につくものではないし、生まれ持ったものでもあるからね。
歌仙「いいよ、何から始めようか？しかし君は全く料理が出来ないわけじゃないだろう？」
蜻蛉切「切って煮込むようなものは一応出来るのですが…それ以外は恥ずかしながら…」
そりゃまあいつもあれだけ長い槍を振り回してるのに料理で使うのは包丁。
彼の手にはいろいろと小さすぎるよね。
蜻蛉切「初めて食べた時から感じていたのですが歌仙殿の作るだし巻き卵は絶品です。あれはどのように作っておられるのですか？」
歌仙「！」
穏やかな笑みと真摯な瞳で聞いてくる蜻蛉切に、思わずコツや隠し味を答えそうになる。
……けど、
歌仙「…うーん、申し訳ないけどそれを答えるのは難しいかな」
主があれだけ気に入ってくれているこの料理だけは、
どうしても譲れないんだ。
蜻蛉切「！ も、申し訳ない」
歌仙「いや、こちらこそごめんね。他の料理なら教えられるんだけど…」
あのだし巻き卵は僕だけしか作れないってことにしておきたい僕は…ズルい、のかな？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1234人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
奥山乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します！出来たら全員のキャラに愛されたいです！（恋愛的に）あと落ちは出来れば全員落ちみたいなのが見てみたいです！無理せずに頑張ってくださいね！ (2022年12月19日 12時) (
レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
ぱや(プロフ) - れもねーどさん» ありがとうございます、とても嬉しいですっ！！続編を読んでの全体の感想などいただけると更に嬉しいです！続編もよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年5月26日 23時) (レス) id: 855b0898b1 (このIDを非表示/違反報告)
れもねーど - めっさ面白かったです！思わず一気読みしてしまいました…。これから続編読んできます！ (2019年5月25日 20時) (レス) id: 7f42fd7b15 (このIDを非表示/違反報告)
湖@清光可愛い鯰尾君可愛い亀ちゃん大好き！！！ - お、面白過ぎです！面白過ぎて一気に読んじゃいました！続編も見ますね！ (2018年1月26日 22時) (レス) id: 073b3b6cdc (このIDを非表示/違反報告)
ぱや(プロフ) - 栗鼠さん» わあぁぁぁ！いやもうそのお言葉がなんていうかめちゃめちゃ嬉しいです…！ありがとうございます、頑張ります！ (2017年11月24日 20時) (レス) id: ab4af77f12 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぱや
| 作成日時：2017年10月20日 20時
