11話 ページ12
小狐丸side
ここの本丸に来てすぐに、主さまについていろいろと聞いた。
そして…
『……誠に、申し訳…ありません……』
美しい声を震わせ、俯いたまま主さまは何度も私に謝った。
あなたは何も悪くないのに、怖いのです……と。
刀剣であれど付喪神であれど、主さまは人間の男の姿をしているものを酷く恐れているとの話だった。
それでも主さまには審神者として働かねばならぬ理由があるとも知った。説明書の巻物に書かれてあった。
顕現してから15日が経ったものの主さまは目を合わせてくれず、薄布を被ったまま必要最低限の会話しか交わさなかった。
小狐丸「…ふむ、短刀とは仲がよろしいのですね」
鳴狐のお供「小さくて、カワイイから大丈夫なのだと仰っていました!」
小狐丸「小さくて、かわいい…」
ある日、庭で短刀と遊ぶ主さまを遠目に見ながら呟いた。
……………小さくは、なれませぬな。
ですが…
小狐丸「どうすればかわいいと思っていただけるだろうか…」
鳴狐 (無理があるのでは)
考え込んでいると眠たくなってきた。
昼寝には丁度良い気温だったため、ゴロリと横になり目を閉じた。
.
『…昼間とはいえ、そこではお身体が冷えますよ』
躊躇いがちな声にうっすらと意識が引き戻される。
そしてその声とその香りがいっぺんに全身の神経を起こした。
主さまが…!小狐めに…!お声を…!!
『……寝ていらっしゃる…の、ですか?』
少し、寝たふりをしてみましょうか。
先程より声が近づき、主さまのふわりと甘い香りが鼻腔をくすぐった。
『………小狐丸さ〜ん』
いつもはビクビクしたように名前を呼ぶけれど、今は違う。
短刀や脇差と何ら変わらない声音にドキドキと胸が高鳴る。
すると、
『……お耳、失礼します』
ちょんっ、と耳に細い手が触れた。
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奥山乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します!出来たら全員のキャラに愛されたいです!(恋愛的に)あと落ちは出来れば全員落ちみたいなのが見てみたいです!無理せずに頑張ってくださいね! (2022年12月19日 12時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
ぱや(プロフ) - れもねーどさん» ありがとうございます、とても嬉しいですっ!!続編を読んでの全体の感想などいただけると更に嬉しいです!続編もよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年5月26日 23時) (レス) id: 855b0898b1 (このIDを非表示/違反報告)
れもねーど - めっさ面白かったです!思わず一気読みしてしまいました…。これから続編読んできます! (2019年5月25日 20時) (レス) id: 7f42fd7b15 (このIDを非表示/違反報告)
湖@清光可愛い鯰尾君可愛い亀ちゃん大好き!!! - お、面白過ぎです!面白過ぎて一気に読んじゃいました!続編も見ますね! (2018年1月26日 22時) (レス) id: 073b3b6cdc (このIDを非表示/違反報告)
ぱや(プロフ) - 栗鼠さん» わあぁぁぁ!いやもうそのお言葉がなんていうかめちゃめちゃ嬉しいです…!ありがとうございます、頑張ります! (2017年11月24日 20時) (レス) id: ab4af77f12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱや | 作成日時:2017年10月20日 20時