16日目 ページ36
貴方side
会いたいのに、会いたくなくて、
好きなのに、一緒にいるのが苦しい
そんな人に手を引かれながら本部の廊下を走っている。
…ずるい、
ずるいよ秀次
最近沈んでいたのはあなたのせいなのに、
あなたのおかげでこんなにも胸が高鳴ってるんだから_______________
本部の屋上に着くとようやく秀次は走るのをやめ、
今初めて私の手を握っていたことに気づいたかのようにパッと手を離した。
夕方の風は冬の匂いをたっぷりと含んでいて、肩で息をすると白くなって薄暗い闇に消えていく。
…さっきまで繋がれていた温かい手はもう冷たくなっていた。
貴方「………ねぇ、しゅ」
三輪「A」
貴方「は、はいっ」
背を向けていた秀次に話しかけると同時に名前を呼ばれた。
こちらを振り返った秀次を見ると思わず息を呑んだ。
貴方 (…なんでそんな……)
今にも泣き出しそうな顔をしているの……？
すると、
三輪「………ごめん」
突然謝られ、壊れ物に触れるかのようにそっと抱きしめられた。
貴方「………………えっ…！？ちょっ…あの…っ…」
三輪「……顔、見られたく、ない、から。………このままでも、いいか？」
貴方「えっ、あっ、はい！」
くもぐった声でそう言う秀次は、私の首筋に顔を埋めている。
一気に身体中が熱くなる。
気が動転しすぎて…
三輪「……万年筆、ごめん。拾ってくれて、本当に、ありがとう」
貴方「……！」
言葉が咄嗟に出てこない。
三輪「最近Aへの態度、我ながら悪かったと思う」
貴方「………う、ん」
三輪「Aが出水とご飯に行ったり、ケンマって奴に電話するたけで、イライラした」
貴方「………う…ん…」
三輪「Aは悪くないのに、俺が勝手に八つ当たりしていた。……ごめん」
ポツリポツリと話す秀次の腕にだんだん力がこもってきた。
ゆっくりと私も口を開いた。
貴方「私のこと、嫌いになったわけじゃ…ない？」
三輪「そんなわけがない。……むしろ、
.
.
____________________A、お前が好きだ」
どきん、と一際高く心臓が跳ねた。
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弓月有無％(プロフ) - 久しぶりに拝読させて頂きました。やっぱり迚も面白くてオチも良かったです！！他作品も読ませて頂こうと思い作品一覧覗いたら知ってる作品ばっかりで吃驚しました…クロスオーバーはあんまり見ないのですがこの物語は凄く楽しかったです！是からも応援しております！！ (2月4日 3時) (
レス) @page41 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - めちゃくちゃキュンキュンしながら悶えながら読みました、秀次オチ最高でした！！ (2021年7月9日 19時) (レス) id: 28994e3d52 (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - 最高かよ。 (2020年2月3日 11時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
soft - コメ返信してくださっていたのに返信するのが遅くなって申し訳ありません。最近親にパソコンを禁止されてしまいまして…。二宮さんと新しい作品楽しみにしています!!。あ、でも二宮さんのほうは出来たらで全然大丈夫です。これからも頑張ってください、応援してます!!。 (2017年8月30日 10時) (レス) id: b066e3c112 (このIDを非表示/違反報告)
月下＊妖狐(プロフ) - ぱやさん» 了解です！有難うございます！！ (2017年8月19日 23時) (レス) id: b3656ffd00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱや
| 作成日時：2017年5月13日 22時
