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10日目 ページ30

貴方side





孤爪『!……もしかして、そうしたらAが東京に戻って来るの?』


貴方「う、ううん、研磨が三門市に来るかたちになる」


孤爪『……そう』





研磨の声がワントーン高くなり、すぐに低くなった。





孤爪『なら保護なんかいらない。今まで生きてきたし』


貴方「…そっか、そうだよね」


孤爪『それにそっちの問題は解決したんでしょ?』





そっちの問題、即ち誘導装置の故障だ。


大丈夫、と答えればなら俺は保護されなくて大丈夫と返され、諦めた。





貴方 (うーん…城戸司令はなんて言うかな〜…)


孤爪『ねぇ、A』


貴方「ん?」


孤爪『…Aは帰っても迎えてくれる仲間がたくさんいるだろうけど……俺は、さみしい』





機械越しの研磨の声は少し暗く聞こえた。


しゅんとしたような声音にキュッと胸の奥が疼く。





貴方「…研磨にそう言ってもらえると嬉しいなぁ〜」


孤爪『Aは寂しくないの?』


貴方「そりゃもちろん寂しいよ。今すぐに会いたいくらい、寂しい」





そう答えると、





カンッ





背後の曲がり角の向こうから何かが落ちる音と、走り去るような足音が聞こえた。


研磨との通話を二、三言で終えるとそちらに向かう。





貴方 (あー誰かいたのか…気づかなかったなぁ……誰だろ?双葉?加古さん?)





隊室に戻るのは止めておこうと思いながら落ちていたものを取り上げる。


どこで見覚えのあるその万年筆は加古隊のものではなかった。






貴方「!……こっ、これ…っ…」






シンプルな万年筆は




いつかに私が




秀次にプレゼントしたものだった。

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弓月有無%(プロフ) - 久しぶりに拝読させて頂きました。やっぱり迚も面白くてオチも良かったです!!他作品も読ませて頂こうと思い作品一覧覗いたら知ってる作品ばっかりで吃驚しました…クロスオーバーはあんまり見ないのですがこの物語は凄く楽しかったです!是からも応援しております!! (2月4日 3時) (レス) @page41 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - めちゃくちゃキュンキュンしながら悶えながら読みました、秀次オチ最高でした!! (2021年7月9日 19時) (レス) id: 28994e3d52 (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - 最高かよ。 (2020年2月3日 11時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
soft - コメ返信してくださっていたのに返信するのが遅くなって申し訳ありません。最近親にパソコンを禁止されてしまいまして…。二宮さんと新しい作品楽しみにしています!!。あ、でも二宮さんのほうは出来たらで全然大丈夫です。これからも頑張ってください、応援してます!!。 (2017年8月30日 10時) (レス) id: b066e3c112 (このIDを非表示/違反報告)
月下*妖狐(プロフ) - ぱやさん» 了解です!有難うございます!! (2017年8月19日 23時) (レス) id: b3656ffd00 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱや | 作成日時:2017年5月13日 22時

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