Story 187 ページ18
貴方side
「Aっ！！」
走り始めた背中にすぐ声が掛けられた。
その声の主は振り返って確認するまでもない。
貴方「なっ……！？や、夜久さん…！！？」
夜久「ほら、走るぞ！」
貴方「は、はいっ！」
パッと伸ばされた手を反射的に掴んだ。
ギュッと握り返される彼の手の力強さにドキリとする。
私の手を引くようにして彼は一緒に走り出した。
貴方「なん、でっ、こっちにっ…！？」
夜久「入場券ってやつ！」
貴方「そっ！そんなのっ！わざわざ買わ」
夜久「俺が最後まで一緒にいたかったんだよ！！」
大きな荷物を持ちながら構内を駆け抜ける私たちにいろんな人が視線を寄越した。
でも、そんなの今は気にならない。
夜久「Aの彼氏は俺なんだからな！」
貴方「っ！」
夜久「マネージャーのAはバレー部みんなのAだけど、今のAは俺の彼女だから！」
軽く息を乱し、肩を小さく上下させながら新幹線乗り場で足を止めた。
そして、
夜久「だから……だから、東京で過ごす最後の日くらい……俺に、独り占めさせて」
正面から抱きしめられた。
夜久さんの匂いに包まれ、また涙がじわりと瞳を潤した。
夜久「A…好きだよ、離れていても好きだから」
貴方「私も、夜久さんが好きです。……大好きです」
震えそうになる声を懸命にこらえ、
私たちはお互いの気持ちと温もりを確かめあった。
夜久「受験が終わったら絶対会いに行くから」
貴方「はい、待ってます」
夜久「あと1週間に1回は電話したい」
貴方「テレビ電話もしましょうね」
新幹線の発車のアナウンスが流れた。
どちらともなく背中に回していた手をそっと離し、両手をしっかりと繋いだ。
夜久「東京にいるのは短い間だったけど、Aと出逢えて本っ当によかった。……ありがとうな、これからもよろしく」
貴方「こちらこそ、とにかく幸せな時間でした。…はい、よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げ、一瞬背を向けて乗り口に一歩踏み出す。
けど、名残惜しくてもう一度夜久さんの方を振り返った。
すると、
……ﾁｭｯ
夜久「向こうでもちゃんと元気に過ごせよ。
.
_______________________A、愛してる」
初めてのキスは、
ふわりと優しくて、甘くて…
幸せな味がした
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弓月有無％(プロフ) - 久しぶりに拝読させて頂きました。やっぱり迚も面白くてオチも良かったです！！他作品も読ませて頂こうと思い作品一覧覗いたら知ってる作品ばっかりで吃驚しました…クロスオーバーはあんまり見ないのですがこの物語は凄く楽しかったです！是からも応援しております！！ (2月4日 3時) (
レス) @page41 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - めちゃくちゃキュンキュンしながら悶えながら読みました、秀次オチ最高でした！！ (2021年7月9日 19時) (レス) id: 28994e3d52 (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - 最高かよ。 (2020年2月3日 11時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
soft - コメ返信してくださっていたのに返信するのが遅くなって申し訳ありません。最近親にパソコンを禁止されてしまいまして…。二宮さんと新しい作品楽しみにしています!!。あ、でも二宮さんのほうは出来たらで全然大丈夫です。これからも頑張ってください、応援してます!!。 (2017年8月30日 10時) (レス) id: b066e3c112 (このIDを非表示/違反報告)
月下＊妖狐(プロフ) - ぱやさん» 了解です！有難うございます！！ (2017年8月19日 23時) (レス) id: b3656ffd00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱや
| 作成日時：2017年5月13日 22時
