転校生は加古隊のオカン 5

Story 184 ページ15

貴方side





楽しい時間はあっという間に過ぎ、




東京駅の新幹線改札の前で私たちは立ち尽くしていた







貴方 (……もう、10分前だ………)







行かないと





でも





この改札を通ってしまえば





次にいつ、彼らに会えるのかわからない






灰羽「新幹線の中はヒマでしょ！？みんなでLINEしましょーよ！」



貴方「うん、そうだね」



犬岡「荷物入りきってよかったです！」



貴方「あはは、まさかこんなに直前に増えるとは…」






スポッチャから出る前に、サプライズをもらった。





バレー部のみんなと共に過ごした時が写真に私の知らないうちに収められた1冊のアルバム



ネコのモチーフが施されたトートバッグとハンカチ



もはや見慣れた赤、白、緑の3色のバレーボールにびっしりと書かれた寄せ書き





………一生、大切にしようってすぐに決めた。






芝山「寂しくなっても僕らがいますからね！」


貴方「うん」


福永「………」


山本「福永の言う通りっすよ！絶対LINEのグループは抜けないでくださいね！」


貴方「…うん」






だんだんと返事が鈍くなってくる



ひとつ、言葉を交わすのが嬉しいのに



ひとつ、言葉を交わす度に別れは近づく






海「何かあっても、何もなくてもマメに連絡するんだぞ」


貴方「……はい」


孤爪「…たまには…みんなで電話も、しよう」


貴方「………うん」






…ああ、ダメだ



やっぱり無理だ





____________________『最後まで笑顔で』





そう言ったのは私なのに



そう過ごすと決めたのに……__________________









黒尾「Aちゃんはこれからもずっと、俺たちの仲間だから。


何があっても、離れていても大切な仲間で俺たちのマネージャーだから。









……だから、









__________________そんなに悲しそうに泣かないで」









泣かないわけが、ない

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