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Story 180 ページ11

黒尾side





蹴られたところをさすりながら最後尾を歩く。






黒尾 (……ああ…………)






願わくばAちゃんの隣に立つのは俺が良かった



Aちゃんを誰よりも幸せに出来る男になりたかった




………でも、




Aちゃんの気持ちが俺に向いていないことなんて、



これから先もきっと、向く日が来ることがないことだって、



誰よりもわかってた





…だって、





俺は誰よりもAちゃんのことを見ていたと思うから






黒尾 (……くっそ、さすがに堪えるわ………)






ちゃんと、笑えってっかな……



気を抜くと目頭がツンと熱くなる



喉の奥が震えそうになる




すると、





ツンツン





孤爪「……今日のうちの晩ご飯、サンマだって」





研磨がジャージの裾を引っ張り、そう言った。






黒尾「…へぇ」



孤爪「安かったから多めに買っちゃったらしいから手伝いにきて」



黒尾「……悪いけど今日はそんな気分じゃ」



孤爪「クロに拒否権ない」






研磨にしては珍しく強めの口調に目を瞬かせる



研磨は前を向いたままポツリと呟いた








孤爪「………素直に喜べないの、クロだけじゃないから」








研磨はマフラーを口元まで引っ張り上げ、俯いた



そこで俺の中の何かがプツリと切れた









黒尾「……っ………やっぱ…っ…むり、つらい…っ…」









ボロボロと溢れてくる涙を



漏れてきそうな嗚咽を



靴紐を結び直すフリをしてしゃがみ込み、必死に抑えた





研磨は何も言わず



俺が立ち上がるまでずっと見守り、



静かに頭を撫でた

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弓月有無%(プロフ) - 久しぶりに拝読させて頂きました。やっぱり迚も面白くてオチも良かったです!!他作品も読ませて頂こうと思い作品一覧覗いたら知ってる作品ばっかりで吃驚しました…クロスオーバーはあんまり見ないのですがこの物語は凄く楽しかったです!是からも応援しております!! (2月4日 3時) (レス) @page41 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - めちゃくちゃキュンキュンしながら悶えながら読みました、秀次オチ最高でした!! (2021年7月9日 19時) (レス) id: 28994e3d52 (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - 最高かよ。 (2020年2月3日 11時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
soft - コメ返信してくださっていたのに返信するのが遅くなって申し訳ありません。最近親にパソコンを禁止されてしまいまして…。二宮さんと新しい作品楽しみにしています!!。あ、でも二宮さんのほうは出来たらで全然大丈夫です。これからも頑張ってください、応援してます!!。 (2017年8月30日 10時) (レス) id: b066e3c112 (このIDを非表示/違反報告)
月下*妖狐(プロフ) - ぱやさん» 了解です!有難うございます!! (2017年8月19日 23時) (レス) id: b3656ffd00 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱや | 作成日時:2017年5月13日 22時

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