転校生は加古隊のオカン (ページ26)

今日:13 hit、昨日:20 hit、合計:513,220 hit

Story 24 ページ26

貴方side

孤爪「Aはバレー経験者？」

貴方「んー、お遊び程度なら」

部活見学が終わり、帰る準備をしていた時に研磨が尋ねてきた。

スポーツは得意だからかこういうのよく聞かれる。

球技のセンスはある方だけど、陸上競技は壊滅的に出来ない。

ハードル全部なぎ倒して走るくらいだからね！！！

貴方「あ、いとこがバレーやってるからその相手したりくらいはやるよ」

孤爪「…へぇ……なら…」

研磨がこちらをチラリと見てきた。

孤爪「…そのいとことやるとき、Aはセッターじゃない？」

貴方「！」

研磨の目は鋭い光を宿していて、目が逸らせなかった。

貴方「そ、そう…だよ…」

孤爪「やっぱり」

研磨は納得したように頷き、転がっていたボールをひとつ取り上げた。

貴方 (…と言っても今日は球出ししかしてない…)

あの数分の球出しの間に研磨は何を感じ取ったんだろ？

私のいとこはスパイカーで、小さい頃から会う度にバレーをやったものだ。

かなり活躍している強豪校のエースらしいから私のトスなんて練習にもならないだろうけど！

孤爪「…やってみてよ」

貴方「へ！？正セッターの前で！？」

孤爪「別にアレコレ言うわけじゃないよ。単に見てみたいだけ」

貴方「いやいや無理無理無理！」

孤爪「えー…」

ちょ、そんな寂しそうな顔しないでっ！

犬岡「あ！ボール片付け忘れてました！すみませんっ！」

孤爪「あ、犬岡。丁度いいや」

犬岡「はいっ？」

孤爪「A、犬岡にトス上げてみて」

貴方「レベル高くなってる！！」

はい、と渡されたボール。

…ああもう！

貴方「犬岡くん！やろう！」

犬岡「？は、はいっ！」

その場で何度かオーバーハンドパスの練習をしてから犬岡くんの助走を目の端に捉え…

貴方 (…ここだ！)

ﾋｭｯ

あ、ちょっと速かった。

ﾄﾞﾊﾟｯ

それでも打ってくれる犬岡くんの優しさとレベルの高さよ！！！

犬岡「おおおおぉぉぉぉ！！手のひらに！こう！バチッて当たって！！ドパッてなって！！」

貴方「ズレたのに打ってくれてありがとうね！」

犬岡「え？ズレてたんですか？」

貴方「えっ、ズレてないんですか？」

トスも噛み合わなければ話も噛み合わない。

お互いに首を傾げたけど…

犬岡「まあ打てたのでいいじゃないですか！」

貴方「そういうことにしとこう！」

結果オーライだよね！