イケメンの胃袋を掴んだ話【青】

26 ページ26

日曜日になり、お昼を食べて作り置きを作り終えキッチンリセットしたところでインターホンが鳴る。モニターを確認すれば藤井くんが立っている。思ったよりも早い登場に驚くものの、嬉しさが勝る。玄関まで迎えに行けば優しい顔で見つめられる。


青「こんにちは、早かったですか？」
『んーん、大丈夫よ』
青「んふ、ご飯作るまでの時間一緒にゲームしませんか？」
『ええやん、カートゲームなら私強いで！』


……


　なんでこうなってるんやろうか。オンライン対戦で、通話を繋いで神ちゃんと藤井くんと私でカートゲームをしている。私のカート捌きをみて神ちゃんもうまいんです、やから3人でやろって3人でゲームしている。
　緑の恐竜のキャラを扱う神ちゃんはすごい上手で。Aさんもお上手です！なんて言うてくる。
　なんか、私邪魔者やない？神ちゃんと藤井くん、なんか両思いぽいというか、2人の会話のテンポ感とか空気感がそんな感じがする。それを聞いてるのが少し辛くて。


『…ちょっと、私お手洗い行ってくるね、2人でやってて！』
青「わかりました」
緑「あ、そうなんですね」


　いい大人がショックを受けてトイレに逃げるとか…。なんやろな、このモヤモヤ。ホンマはもう少し1人でいたいけど、長いことトイレに居るわけにもいかんし…。タイミングを見てリビングに戻る。ちゃんと笑えてるやろうか。


青「あ、おかえりなさい」
緑「ちょうど次のコースから参加できると思います！」
『おん、これやったら夕飯の準備にするから抜けるな？』
青「もうそんな時間か、俺も手伝うから抜けるな？」
緑「せやなあ、楽しい時間はあっという間やね。次で最後にしましょう！またやりましょう！」


　レースを終えてキッチンに入る。鶏肉はヨーグルトに漬けて柔らかくして炒める。そこに根菜から加えて炒めていく。ある程度馴染んだところに水を加え煮立たせていく。
　その間にサラダの用意をしてくれていたらしく、お米まで研いでくれている。


青「よし、あとはご飯とルーを入れるだけですね」
『おお、ありがとう』
青「ふふ、テレビでもみてゆっくりしましょ」

27→←25

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す