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車が止まり、扉を開けてくれる音がする。あれ、この潮の香りは…。


橙「ど?最近忙しかったやろ」
『きれー…』
橙「お気に召しましたか?」
『そりゃあとっても!』


 目を開ければ海が目の前にあって。久しぶりに海に来たなあ、なんて思う。ちょうど日の沈む時間で目の前には綺麗な夕陽が見える。


『海なんて久しぶりに来たわ』
橙「好きなんよなあ…」
『まあ照史といえば沖縄のイメージあるし海好きなイメージ強いかも』
橙「…おん、せやなあ」


 夕陽から目を逸らして振り返ればじっとこちらを見ている照史。真面目な顔していて少しドキリとする。照史もかっこええ整った顔してるよなあ。


橙「んーと、さ、言いたいことあんねんけど」
『なに?改まって』


 照史の言葉を待っていれば、照史が何かを言いかけた瞬間、強い風が吹く。風に負けてなんて言ったのか聞こえず、顔を見つめる。


『ごめん、風で聞こえへんかった、今なんか言うた?』
橙「…これからも仲良うしてな?」
『おん、もちろん!こちらこそ仲良くしてや!私の大事な同期なんやから!』


 そう伝えれば、悲しそうに笑って拳を突き出してくる。とりあえず拳を突き出す。コツンと合わさる拳を見るのはなんだか青春を感じる。青春といえば某ドラマが思い浮かぶ。なんだか真似したくなって、女優さんの真似をしながら声をかける。


『よし!あの夕陽に向かって競争しよ!』
橙「なっつかし!ええよ、行こか!」


 やっといつも通りに笑ってくれた照史に安心しつつ、夕陽に向かって走る。
 車に戻る頃には2人してクタクタで。いい大人が懐かしい言うて走るなんて……。


『私が代わりに運転しよか?』
橙「大丈夫よ、俺運転好きやし家まで送るわ」
『方面逆やろ?途中のええ感じのとこで降ろして?私スーパー寄りたいし…』
橙「そか、ほんならAの家の近くのスーパーまで送るわ。ええの?買い物終わるの待つけど」
『んーん、大丈夫』


 なんとなく藤井くんと普段通ってる道を歩きたくなって申し出を断る。そもそもスーパーまで送ってもらうのも申し訳ないねんけどな…?


橙「ほなここで、また月曜な?」
『おん、ありがとうな、また月曜!』


 照史の車が見えなくなるのを見送れば、後ろから声をかけられる。声のする方向には藤井くんがいて。酔っているのだろうか?なんだかふわふわしている。

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和花(プロフ) - 毎回更新楽しみにしてました!また、他の作品できましたら読みに来ますね♡ (2023年3月1日 10時) (レス) @page33 id: a2603959e4 (このIDを非表示/違反報告)
千歳あめ - とても面白くてお気に入りになりました!ふわふわ流星くんかわいい!(◍•ᴗ•◍) (2023年2月28日 23時) (レス) @page33 id: a0f783b703 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:(笑) | 作成日時:2023年1月17日 12時

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