13 ページ13
どんなに足掻いても地球は回るし、朝もやってくる。なんならあの後ベッドに入ってしばらくはドキドキしてたけど、仕事の疲れもあってすぐ寝たみたいやし。何より藤井くんの発言を真に受けてはいけないことは学習済みや。
昨日からいつも通りになったお弁当を二つ作る。仕込んでいた唐揚げもあとは衣をつけて揚げるだけだ。少し多めに作って甘辛ダレとハニーマスタードの両方を作ろう。ハニーマスタードは私の明日のお昼ご飯かな。今日の夜は飲み会やし…。朝から唐揚げはもう胃が若くないから無理や。タコさんウィンナーを作ったり、甘い卵焼きを作ったりして弁当を詰めていく。
あとはもう家を出るだけの状態になれば、タイミングよくインターホンが鳴る。扉を開ければ待っているのはスーツを着た藤井くんで。
青「おはようございます！」
『おはよ、はい、これお弁当』
青「今日は何やろ、楽しみやなあ」
こんなに楽しみにしてると言われると嬉しくなる。作り甲斐があるってホンマこのことやろな。前まで自分で作ったご飯を褒めてくれるのは自分しかおらんかったし。
当然のように横を並んで歩く。心地いいこの時間がなんとなくええなあ、と思う。
ほんでまたスマートに壁になってくれる藤井くん。ふと見上げれば目が合う。ニコッとされて、ホンマに綺麗な顔してるな、としみじみと思う。ぽけーっと眺めていれば、あっという間に藤井くんが降りる駅がやってくる。
青「んふ、いってきます」
『いってらっしゃい』
青「ん、気をつけてください」
そうまた頭を撫でられる。背が高いからかだろうか。私の頭の位置がちょうどいいのだろう。よく頭に手を置かれるな…。
会社の最寄りに着けば、別の車両から出てきた小瀧くんと出会う。
桃「あれ、Aさん？おはようございます！同じ電車やったみたいですね」
『おお、おはよ、小瀧くん』
桃「偶然！え〜Aさん、どこから乗ってます？朝途中からでも一緒に行きませんか？」
『や、毎回この時間とも限らんし…』
桃「あ、そうなんですね、もし見かけたら声かけますね！」
なんか藤井くんとの2人の時間は取っておきたくて小瀧くんに小さな嘘をついてしまう。いやいや、何で嘘ついてるんやろ。…まあ、ええか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 334人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
和花(プロフ) - 毎回更新楽しみにしてました！また、他の作品できましたら読みに来ますね♡ (2023年3月1日 10時) (
レス) @page33 id: a2603959e4 (このIDを非表示/違反報告)
千歳あめ - とても面白くてお気に入りになりました！ふわふわ流星くんかわいい！(◍•ᴗ•◍) (2023年2月28日 23時) (レス) @page33 id: a0f783b703 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：(笑) | 作成日時：2023年1月17日 12時
