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疲れた体に鞭を打ち、家へと帰る。会社では後輩を任される年次になった。これから配属される後輩の資料をみてついこの前まで1年目やったのに、なんてしみじみと思う。時の流れとは怖いものだ。


 私は今ものすごく疲れている。やからマンションの廊下に人が倒れてるのも見間違いではないか、と思う。
しかし近づけば明らかに人間が倒れている。こういう時ってどうするんやっけ?!110番やっけ?と、軽くパニックに陥りながら駆け寄り、スマホを握りしめ意識があるかを確認する。


『大丈夫ですか?生きてますか〜?』
青「……お……すい……た……」
『はい?!』


 返事があることを確認できたものの、彼が何を訴えてるかわからない。救急車を呼ぶ旨を伝えれば腕を掴まれる。


青「食べ物を恵んでください…」


 それと同時にぐぅ〜〜ぎゅるると豪快な音が廊下に響く。そう、まるで雷が落ちたかのような音である。こんなでかい音が人間の腹からなるものか、と驚きながら部屋に案内する。
 通常の私なら見知らぬ人を家に上げるなんてしない。しかし私は疲れているのだ。OJTのための仕事を追加でしていたり、産休に入った先輩の業務を引き受けたりとプラスの仕事をしていたのだ。そんな私に正常な判断ができるわけもなく、とりあえず、と家に案内してしまった。作り置きしかないねんけど…。お米はよかった、炊けとる。


 冷蔵庫から作り置きを取り出し、レンジで温めていく。彼のお腹は限界だろうし、おかずが出来上がる前におにぎりを作ろう。シンプルに混ぜ込みの素を使って複数のおにぎりを作り、彼の座るテーブルまで運ぶ。


『よかったら先食べてください。他にも準備はしてるけどとりあえず…』
青「いただきます…!」


 おにぎりを両手に持ち交互に口に詰め込んでいく様子を見て、ホンマに限界やったんやなあと思う。
そんな彼を横目に、味噌汁を作る準備をする。早く作ってあげたいから火の通りやすい豆腐とネギとほうれん草。うん、我ながら手際がいい。もう味噌をとけば完成や。
 その間に作り置きの煮込みハンバーグ、ポテトサラダを盛り付ける。ご飯をお椀に盛って、完成した味噌汁を注いでテーブルへ運ぶ。


『おかわりもありますから』
青「うんま!はい!ありがとうございます!」


 すごい勢いでご飯が減っていく。さて、私もご飯にしますか、と彼のお向かいに座り手を合わせる。

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和花(プロフ) - 毎回更新楽しみにしてました!また、他の作品できましたら読みに来ますね♡ (2023年3月1日 10時) (レス) @page33 id: a2603959e4 (このIDを非表示/違反報告)
千歳あめ - とても面白くてお気に入りになりました!ふわふわ流星くんかわいい!(◍•ᴗ•◍) (2023年2月28日 23時) (レス) @page33 id: a0f783b703 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:(笑) | 作成日時:2023年1月17日 12時

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