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藤井くんを助けた次の日。いよいよ後輩の面倒を見る日が来た。同期の照史も後輩を1人担当するらしい。とにかくいい子でありますように、と願うことしかできない。
桃「よろしくお願いします!」
『よ、よろしくお願いします』
新人研修を終えて私たち営業部に配属されたのは小瀧望くんと女の子が1人。私が面倒を見る小瀧くんは元気なわんこ系でいい子そうやなあ、と安心する。小瀧くんの元気に時折り圧倒されつつ、業務を伝える。配属されたばかりだからまだ本格的に彼の面倒を見るわけではないのだが。
午前の業務を終えて、お昼を迎える。小瀧くんに声をかければ、喜んで着いてきてくれた。照史が面倒見る子は別部署の女の子と食べるらしい。
橙「え、Aが食堂って珍しいなあ、外回りでもないのにお弁当やないんや」
『まあ…色々あって』
桃「え!Aさんって普段お弁当なんですか!すごい!」
藤井くんが作り置きをほぼ食べ尽くしたのを忘れ、朝起きて冷蔵庫を見ればすっからかんで。かと言って新しく弁当用にご飯を作ると遅刻する時間だったし、と食堂を選んだのだ。
照史はうどんを頼んでおり、私はオムライスを頼む。小瀧くんは迷いながら親子丼を頼んでいた。時折、食堂で彼の同期らしき子たちが甘い声で話しかけているのを見て、ああ、彼はモテるタイプなんや、と実感する。本人はそのことを知ってるのか知らないのか、笑顔で対応している。
橙「こりゃモッテモテやなあ」
『すごいね…恨まれないか心配やわ』
橙「大丈夫やろ、ええ大人やし」
そのええ大人が怖いのは照史は知らないのだろう。ズズ、と勢いよくうどんを啜る姿を見て、なんとなく藤井くんが頭に浮かんだ。…藤井くんもモテそうやな……なんて。
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和花(プロフ) - 毎回更新楽しみにしてました!また、他の作品できましたら読みに来ますね♡ (2023年3月1日 10時) (レス) @page33 id: a2603959e4 (このIDを非表示/違反報告)
千歳あめ - とても面白くてお気に入りになりました!ふわふわ流星くんかわいい!(◍•ᴗ•◍) (2023年2月28日 23時) (レス) @page33 id: a0f783b703 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:(笑) | 作成日時:2023年1月17日 12時