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タクシーの中で
ふたりきり。
恥ずかしくてどんな顔していればいいのか
全然わからない。
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智「もう、ほんとにあの店に来ちゃあかんよ」
「…」
智「返事は？」
「なんでですか」
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返事になってないしって先生は小さく笑う。
でもわたしにとっては大事な質問なのに。
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智「こわぁいお兄ちゃんが
最低二人もいるでしょ？」
「怖くありません
優しくて大好きです」
智「いつ狼に変わるかわからないのに？」
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バチっと目が合ったら
もう目の中には
先生しか見えなかった。
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ふたりを繋ぐ言葉も消えて
沈黙の中
真っ白なワンピースを
ぎゅっと握ってタクシーが止まるのを待った。
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『あーい、1000円でーす』
智「あいよ」
「払いますって」
智「いいからはよ降りろや」
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夜風が頬を切るように冷たいから
夏が遠ざかることを実感する。
ポッケの中に先生は手を突っ込んで
さみぃな、とつぶやいた。
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「先生」
智「はあい？」
「わたし、あのお店にも行きますし
先生のこともっともっと知って超仲良しになりますから」
智「はい？笑」
「じゃあ！おやすみなさい」
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走って家の中に入って
鏡の前で息を整えた。
心臓はまだドキドキしてる。
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やっぱり、瞳の中には先生しか見えない。
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ぱとら(プロフ) - *はる*さん» *はる*さん！嬉しいお言葉ありがとうございます（*^_^*）すごく励みになりました！今後もどうぞよろしくお願いします。 (2014年9月22日 23時) (
レス) id: aaa596c832 (このIDを非表示/違反報告)
*はる*(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！！ 今まで読んだ小説で一番ドキドキしちゃってるかも…笑 次どうなるかめっちゃ楽しみです！！ (2014年9月19日 18時) (レス) id: cc4d38641b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱとら | 作成日時：2014年8月7日 18時
