【36】 ページ36
.
試着室から出ると、二人の姿はなくて
代わりに 少々お待ちください と赤いひざ丈のスカートをはいた店員さんが声をかけてきた。
.
物色しながらうろついてるとさっきの店員さんから
”先程、彼氏さんからこれを渡してくれと頼まれまして”
と、薄いピンクの紙袋を渡された。
彼氏、さん…だって
思わず顔がボンッと赤くなるのがわかる。
と、同時に
先生からのプレゼントに
戸惑って、でも泣きたくなるぐらい嬉しくて
どうしたらいいかわからない。
.
涙が出そうになるのをぐっとこらえてお店を出た。
.
先生はずるい。
わたしの気持ちをわかっててこれはずるい。
.
会いたくて会いたくて お店を出たのに
そこにいたのは相葉くんだけだった。
.
雅紀「大ちゃんね、用事があるって帰っちゃった」
「…あ、そうなんだ」
雅紀「もっと一緒にいたかった？」
さっきのお店から移動して
近くにあったカフェに入って、二人で生クリームののったフラペチーノを飲んでるんだけど
最近めっきり寒くなってきて体が震えた。
「そ、そんなことないよ」
隠そう、隠そうと思うほど 声が裏返って相葉くんは軽く笑った。
雅紀「隠さないでいいって
俺、知ってるから」
「何を？」
思わずフラペチーノを置いて、相葉くんをじっと見る。
.
雅紀「Aちゃんが大ちゃんのこと好きなこと」
全部見透かしたように笑って、彼は頬杖をついてこっちを見た。
雅紀「聞いちゃったんだって、初めてちゃんと会ったあのお昼休みに
二人が話してたこと」
「…そうなんだ」
雅紀「そうなんです」
.
相葉くんの前に両手を合せてギュッと目をつぶった。
この秘密はこれ以上ばれちゃいけない。
「お願い、誰にも言わないで
今日先生と二人きりになったことも全部」
.
雅紀「わかってるんじゃん」
「え？」
.
目を開けると、女の子を手なずけるような
あの笑顔で 相葉くんは笑ってた。
.
雅紀「このまま、大ちゃんのこと好きでいても何も起こらないことだって
むしろ関係なんて持っちゃったらこりゃまた２人の人生に関わることだって
全部わかってるのに、なんで好きでいるの？」
まるで冷水をかけられたようにハッとした。
彼の言ってる事は合っている。
わたしのしていることは間違っている。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 134人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぱとら(プロフ) - *はる*さん» *はる*さん！嬉しいお言葉ありがとうございます（*^_^*）すごく励みになりました！今後もどうぞよろしくお願いします。 (2014年9月22日 23時) (
レス) id: aaa596c832 (このIDを非表示/違反報告)
*はる*(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！！ 今まで読んだ小説で一番ドキドキしちゃってるかも…笑 次どうなるかめっちゃ楽しみです！！ (2014年9月19日 18時) (レス) id: cc4d38641b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぱとら | 作成日時：2014年8月7日 18時
