⥥ ページ8
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＿＿＿＿＿忘れたくないです
銃で撃たれたような衝撃だった。オレ自身の欲望がとうとう可哀想にも幻聴とまでなって耳に届いたのかと思ったが、それはしっかり彼女の小さく動く口から紡がれていた。そしてオレはその衝撃と歓喜のあまりに、何も考えず口を開いた。
「は…？それ、っどういう意味か分かってんのか？」
そのときは、自我を忘れて常識的に体裁を保つことを忘れて、思ったままに言葉にしていた。気遣っていた敬語など二の次だ。たったさっき、オレは彼女を殺すことを恐れて淡々と“忘れてください”とまで言ったというのに彼女の一言だけで、簡単に音を立てて崩れていった。少なからずも枢木Aはオレのことを好ましく想っていることを薄々分かってしまうからこそ、平然としていられるわけがない。自然とつり上がってしまう
交わる視線に鼓動が加速していく。あと数秒後にはオレはまた自分の衝動のままに彼女に手を伸ばしていただろう。しかし、オレの携帯の着信音が警告音のように鳴り響き正気に戻った。だが最後に彼女が何かを言いかけたのは気付いた。
電話を済ませて、店に戻れば彼女はいつものようにたい焼きと生どら焼きを別々の袋に入れてオレに少し顔を赤らめて手渡す。いつでも雪のように白い頬がほんのり赤みがさして愛しさを憶えた。
「またのご来店お待ちしておりますね」
ああやっぱり、殺したくねえなあ。なのに、
それからしばらく店には行かなかった。というより行けなかった。出張だった。彼女と距離を置いておくにはいい機会だったはずだ。彼女のためにも、オレが殺さないためにも良策だったはずだ。が、それは簡単ではなかった。一度彼女の味を知ってしまってからというもの吸血鬼のように衝動を憶えて、必要以上の倍シャブを喉に通した。いっそ記憶も飛んでしまえば、関係も無くなる。
が、現実はそれよりも最悪で、彼女はもう死という
「げほ、ぁ、ぐ…ぁえッ」
彼女の口から吐かれた、真っ赤な百合を偶然見たとき、オレは呪った。いるのかいないのかも分からない神も運命も彼女でさえも呪った。どれだけオレを苦しめれば気が済むのか、と。
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パチンカスヱ(プロフ) - 凛愛さん» ありがとう😌💕こちらこそ最後までお付き合い頂きありがとう😌 (2021年12月30日 8時) (
レス) id: fe109e5f3f (このIDを非表示/違反報告)
羽糸(プロフ) - 完結おめでとうございます！表現ひとつひとつが刺さるお話でした…！！たった一度の恋をこんなにも儚く美しく書ける文才に感嘆するばかりです。書いてくれてありがとう！！ココくんの新作も楽しみにしてます🥺🥺 (2021年12月26日 20時) (レス) @page17 id: 85bd249cc8 (このIDを非表示/違反報告)
凛愛(プロフ) - 完結おめでとう！！泣きました…素敵なお話をありがとう…😭😭 (2021年12月26日 13時) (レス) @page17 id: f83a603b36 (このIDを非表示/違反報告)
パチンカスヱ(プロフ) - 桜峰瑠璃さん» 嬉しいです……！！！！ 一緒に出頭しましょう🥰 (2021年12月2日 15時) (レス) id: fe109e5f3f (このIDを非表示/違反報告)
桜峰瑠璃(プロフ) - ヤバい！！！全性癖にぶッ刺さる！（）しゅき…興奮する！！！！！（通報案件） (2021年11月30日 17時) (レス) @page5 id: 643076eff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パチンカスヱ x他1人 | 作成日時：2021年11月24日 6時
