0,虚数 ページ15
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「…ぇ…？」
「好きだ、大好きだ」
Aの表情は驚きに変わる。そして、すぐに嬉しそうに涙を浮かべて愛らしく笑った。そして、同時に握っていた彼女の手が妙に手応えを感じなくなった。手を離せば、もう指先から溶けてなくなって水滴がしたたり、布団に染みを作っていた。やっぱりオレは彼女を溶かすジュースだった。手が震えた。
Aは離れたオレの手をまた握り返して、ありがとう、とか細い声で応えた後に強く咳き込んだ。血でも吐くのではないかという勢いで片手で口許を抑えて、う゛っ、と呻き声をあげると当てていた手を離す。そこにはいつも苦しげに吐いていた血のような百合ではなく、目を奪われるほど彼女に相応しい、しかし小さな花だった。その花は白銀の色に染められていて花の名前は分からなかった、ただ百合ではないのは分かる。花吐き病が完治したのだ、彼女と思いを通わせたことによって。そして、同時に彼女をオレは殺した。
「ごめん、ごめ…A…」
今まで感じてきたどんな痛みよりも心が痛み、何年振りにとめどなく涙を流した。握っていた彼女の手ももう溶けて消えてしまった。布団の上に美しい花が落ちた。まだ溶け切っていないもう片方の手でAはその花を手にのせてオレに差し出した。
「謝らないで、元々ずっと私がせがんでたし凄く嬉しかった」
「…ごめ……っぅ、嘘、好きだ」
「うん、うん、私も大好き。
あのね、春千夜さんこの花受け取って、…？恋が成就したときに吐く花は凄く希少価値が高くて、花から薬が作れるかもしれないの。これで、春千夜さんの味覚が戻せるかもしれないから、使って欲しい」
オレの手に乗せた花はAの身体の溶けた水滴とオレの涙で濡れていく。それでも彼女の言葉は一言一句聞き逃さないようにしっかりと聞いていた。
「…分かった、ありがとA」
「どういたしまして」
もうAの下半身はすっかり溶けて消えているらしく、布団をびっしょりと濡らしていて、彼女はどこか眠たそうに重く
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パチンカスヱ(プロフ) - 凛愛さん» ありがとう😌💕こちらこそ最後までお付き合い頂きありがとう😌 (2021年12月30日 8時) (
レス) id: fe109e5f3f (このIDを非表示/違反報告)
羽糸(プロフ) - 完結おめでとうございます！表現ひとつひとつが刺さるお話でした…！！たった一度の恋をこんなにも儚く美しく書ける文才に感嘆するばかりです。書いてくれてありがとう！！ココくんの新作も楽しみにしてます🥺🥺 (2021年12月26日 20時) (レス) @page17 id: 85bd249cc8 (このIDを非表示/違反報告)
凛愛(プロフ) - 完結おめでとう！！泣きました…素敵なお話をありがとう…😭😭 (2021年12月26日 13時) (レス) @page17 id: f83a603b36 (このIDを非表示/違反報告)
パチンカスヱ(プロフ) - 桜峰瑠璃さん» 嬉しいです……！！！！ 一緒に出頭しましょう🥰 (2021年12月2日 15時) (レス) id: fe109e5f3f (このIDを非表示/違反報告)
桜峰瑠璃(プロフ) - ヤバい！！！全性癖にぶッ刺さる！（）しゅき…興奮する！！！！！（通報案件） (2021年11月30日 17時) (レス) @page5 id: 643076eff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パチンカスヱ x他1人 | 作成日時：2021年11月24日 6時
