【ジiョiジョ】私だけの一等星【ジiョセiフ】 (ページ2)

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早すぎる春 1/1 ページ2

｢ほら、挨拶しなさい｣
ほわほわと宙に浮かんでいた意識が一気に再編成される。先程まで男の子の祖母らしき女性と話していた母だったが、いつの間にか会話は終わってしまったらしい。
｢(あ、あいさつ)｣
ゴクリと固唾を呑み込む。らしくない、緊張からか手の震えがなかなか収まらなかった。このままずっと黙っている訳にもいかないので、視線を男の子から若干左に逸らしながらも勇気をだしてハッキリと自分の名前を告げた。彼に覚えてもらいたかったからだ
ほら、あなたも。祖母らしき女性が男の子の肩を軽く叩く

｢ジョースター。ジョセフ・ジョースター……JOJOってよばれてる｣
じょせふ、じょーすたー。素敵な響きを持つ名前だった。繰り返し胸中で反復していたらいつの間にか家に戻っていて、いつの間にかご飯を食べていて、いつの間にかお風呂に入っていて、いつの間にか寝ていた。
もう、彼の事しか頭になかった
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緊張しながらも心が弾んでいるのが自分でも分かった。一歩進んで、お隣さんのインターホンを背伸びをして押すと数分もしない内に扉が開き彼の祖母が出迎えてくれた
｢！｣
｢あら、お隣の……｣
昨日はジョセフに夢中で気付かなかったが、ジョセフと同様に上品で凛々しい、美しい人だった。

｢こんばんは！い、いきなりごめんなさい！ジョセフくん……居ますか！｣

ジョセフはそう簡単に心を許そうとはしなかった。
それもそうだろう。ジョセフはまだ五歳で、それでいて人一倍警戒心が強い子だった。きっとそれは彼の家庭環境が影響しているのだろう。祖母であるエリナおばあさんと、亡くなった祖父の旧友だというスピードワゴンさん____つまりは身内であるその二人にしか気を許さなかったのだ。
そんな姿もまた、魅力的に映った。
来る日も来る日も家を訪ね、最初こそ素っ気ない態度のジョセフだったが鬱陶しいほど話しかけて面倒を見ていたら絆されたのか徐々に態度が軟化していった。今では｢JOJO｣と呼ぶと元気よく｢はい！｣と天真爛漫な笑顔で返してくれる。
ジョセフのことは知れば知るほど愛しく感じる。胸の中にあるジョセフのためだけの｢部屋｣が、毎日ぎゅうぎゅうになっていく。こうして思い返すと我ながらマセた子どもだったな、と少し恥ずかしく思うが同時に褒めてやりたくもなる。

_________蛇足だが、最初ジョセフがつれない態度だったのはどうやら大好きなエリナおばあちゃんと遊んで過ごす時間が減ってしまったからだったようだ。なんともかわいらしい。