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ジョセフ・ジョースター 1/1 ページ1

私から見てジョセフ・ジョースターという子どもはなんとも奇妙な存在だった。
いつもつまらなさそうに漫画を読んでるかと思いきや、時折常人には到底思い付かない破天荒な行動を起こす。その後は決まって「エリナばあちゃんにおこられちまう…」と顔面蒼白に怯え出す始末だ。
見ていて飽きない、飽きさせない。ジョセフは太陽というより、暗い夜道を照らし導く一等星のような存在だった。

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「JOJOって犬みたい」
特に他意を込めて発した訳ではない独り言に私の膝を枕代わりにして横たわっていたジョセフが大袈裟に飛び起きて肩をすぼめる
「オーノー!ぼくちんがあんまりにも可愛いからって、そんな飼おうとするなんて……」
「このスカタン」
ジョセフも本気で言っているわけではない。冗談だと分かっているがあまりに突拍子もない発言に「私をなんだと思ってるんだ」と唇を尖らせる。
私の反応に満足したのか、ジョセフがまた膝の上に戻ってきた。ジョセフのぴょんと跳ねた髪の毛を撫でると気持ちがいいのか今度は膝に頬をすりすり寄せてくる。
撫でられて喜ぶ姿はまるで犬のようだが、身を寄せてくる姿は猫のようだった。ジョセフの気を許した姿に頬がだらしなく緩む。
彼のこんな姿を見れるのは、彼を大切に育ててきたエリナおばあさんとスピードワゴンさんを除けばきっと自分だけだろう。沸きあがる喜びに身を任せそうになるのをぐっと堪えているのが今の状況だ。
全幅の信頼を置かれている、その事実に酷く心が満たされた。



_____ジョセフと私は所謂"幼馴染"という関係で、ジョセフが五歳のとき、私が七歳のときにお隣さん同士になった。
子どもながらに引越しする際は「しょうがっこうのおともだちとはなれてしまう」という悲しみで満たされ全く気乗りしなかったが、今となってはジョセフと出会えたこの幸運に気が遠くなりそうなほどの喜びを感じる。
ジョセフは五歳の頃から天使だった。無論、本気で言っている訳ではなく「天使のように可憐だ」という意味合いだ。二歳しか離れていないというのに、初めて会った時も瞬き一つせずに見とれてしまっていた。
垂れ気味の目尻だが眉は凛々しく吊り上がっており、唇は厚く柔らかそうでとても魅力的だった。ヘアスタイルや洋服も当然彼によく似合っている。
何から何まで全体のパーツが整っており、無表情だからこそ端正な顔立ちだという事がこれ以上ないほど窺い知れた。

早すぎる春 1/1→



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設定タグ:ジョジョの奇妙な冒険 , ジョセフ・ジョースター   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:田中 | 作成日時:2021年6月27日 2時

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