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湖へ行ってはAの無事を何度祈ったことか…
まだ僅かに残っている水面は、浅く息をしながら
なんとか生きているように見えて泣きたくなった。
祈りも虚しく、このままでは国の存続が危ぶまれる
彼女のお父上である国王が下した決断は、
ミアと正式な婚姻を結び新しい土地へ行くこと。
ここは国王と王妃の2人、ユンギさんのお父上と側近
少ない兵士達だけ残り余生を過ごすことになった。
そして、今日は聖堂の中で挙式をするのだ。
今は別室であるこの場所でミアを待っている
ミアは昔よりも大人しくなった…いや
きっとまだ僕に気を使っているのだろう。
そんな事を、どこか遠く他人事みたいに感じている
NJ「A、君はもう居ないの…？
たった一人でその場所へ行ったのかっ...？」
吐き出すように零れた言葉は静かに消えた。
震える手で窓辺に紫色の一輪の花を置く
NJ「君へ贈る最後の花だよ…」
『失礼致します。ミア様の準備が整いました』
NJ「…入って」
MA「ナムジュン…」
NJ「…あ、あぁ。ここへ座ると良いよ」
MA「うん」
少し離れた場所から見た彼女の姿が
一瞬だけAに見えて、思わず固まってしまった
フワフワと揺れる真っ白なドレス。
お姫様のようなその服はミアらしく
ウェーブがかった彼女の髪とよく合っていた。
そう、Aとは真逆だ…
MA「あの…ナムジュン」
NJ「うん？」
MA「えっと、その…こ、このドレスどう？」
NJ「ミアらしくて似合っていると思うよ」
MA「ほっ、本当に？！」
NJ「うん」
MA「良かったぁ、ナムジュンは好き？このドレス」
NJ「…うん、好きだよ」
MA「嬉しい！ん...この花は？」
NJ「あっ…拾ったんだ」
MA「可愛い花ね！耳元に飾ったら可愛いかな？」
伸ばそうとしたその手を咄嗟に掴んだ
NJ「っ...これは、どこの花か分からないから
やめておきな…違う花をあげるから」
MA「あ、うん…分かった」
『全ての支度が整いました。』
NJ「行こうか」
MA「うんっ！」
腕を差し出したナムジュンに輝く笑顔を見せるミア
絡まった腕はこれから新しい未来へと歩み出す。
閉じていくドア越しに見えた小さな花は、
静かにひっそりと、2人の後ろ姿を見送った。
5分も続かない、ほんの数分だけ
数年ぶりに降り出した雨に気づくことは無かった。
Aが祈りを捧げ、降った雨だと知ることも無く
ガチャン…と音を立てて閉ざされた。
ヒヤシンス
〜悲哀、許してください〜
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リウ(プロフ) - 麻央さん» 初めまして(^ ^)お立ち寄りいただきありがとうございます。引き続きお楽しみいただけるよう頑張ります(o^^o) (2020年6月10日 11時) (
レス) id: e661a1f981 (このIDを非表示/違反報告)
リウ(プロフ) - ゆなさん» 初めまして(^^)たくさん読み返していただき嬉しいです。ありがとうございます。続編も出したのでそちらもぜひ宜しくお願いします(o^^o) (2020年6月10日 11時) (レス) id: e661a1f981 (このIDを非表示/違反報告)
麻央(プロフ) - リウさま、初めまして。作品拝見しました。綺麗なタイトルに惹かれ、読み込んでいくうちに、物語の奥行きに圧倒されました。とってもあたたかく、胸が焦がれるような作品ですね。続きを楽しみにさせて頂きます^ ^ (2020年5月31日 21時) (レス) id: 9d4977984c (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - はじめまして！！このお話好きすぎてもう何回も読み返しています！続編楽しみに待ってます！ (2020年4月29日 19時) (レス) id: 7b504efb24 (このIDを非表示/違反報告)
リウ(プロフ) - カナタさん» ありがとうございます(^^)楽しんで頂けているようで、私も嬉しく思います。引き続き頑張りますので、どうぞ最後までお付き合いくださいね。宜しくお願い致します(^^) (2020年2月21日 2時) (レス) id: e661a1f981 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リウ | 作成日時：2019年5月28日 6時
