ウンディーネの泪

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JN「今日はクッキー作ってきたから、
良かったら食べてみて？感想聞かせて欲しいな」

「クッキー…？」

JN「え？知らない？焼き菓子だよ
中にジャムを挟んでみたんだ」

「…っ、美味しい！木苺の味がする」

JN「あたり！良かった〜、初めてお菓子作ったから
ちょっと心配だったんだよ」

ジンはあの言葉通り、毎日ここへ来るようになった

いつも食べ物を作って私に渡してくる。

初めて食べるものばかりだけど、

ジンが作る料理は、温かくてどこか懐かしく感じる

とても美味しいものばかりだった。

JN「Aちゃんは、一番好きな食べ物はなに？」

「食べ物…ん〜…スープ」

JN「スープ？どんな？」

「お母様の得意な料理だったの。
きのこや野菜がたくさん入ってる赤い果実のスープ」

JN「赤い果実？…うーん」

「もう食べれることはないけどね…」

言ってから気づく、余計なことを言ってしまった。

JN「ぇ…じゃあ、僕が作ってみるよ」

「えっ？」

JN「具材は僕が自分で選んじゃうし、
同じのは無理かもしれないけど…作ってみる。

だから、そんな悲しい顔しないでよAちゃん」

そっと頬に触れた掌は少し冷たくて

でも、向けられた眼差しはとても温かかった。

自分がどんな顔をしてるのか分からない。

彼には悲しい顔に見えるのだろうか

JN「僕が美味しい料理を作って、
Aちゃんを笑顔にさせてあげる。待ってて」

片目を瞑って笑ったジン

その気持ちが嬉しくて、自然と笑顔になった。

JN「っ！んなっ、それは反則だなぁ」

手で隠しながら少し顔を背けると

視線だけ私の方に戻ってきた。

再び頬に手が伸びて来て、親指でスッと撫でられる

JN「笑った顔、すごい可愛いんだもん」

「っ！！」

全身の熱が一気に顔へ集まるのが分かった

お互い赤い顔を隠すように地面を見て沈黙する。

JN「と、ところで！Aちゃんは何歳なの？」

「あ、それは…っ」

あまりに話せないことが多過ぎて、

縮められない距離にもどかしさを感じた。

いや、話せない訳ではないのだ

現にテヒョンには話しているのだから…

ただ、話してしまう事で私を見る彼の目が

変わってしまうのが怖い。

いつも私を気遣って会話をしてくれる。

少しでも、躊躇う様子を見せれば


JN「あ、あぁ！女性に失礼だよね！ごめん！！」

こうやって話を終わらせようとしてくれる。

もっとジンに近づいてみたい…彼の事が知りたい

私は貴方を信じてみても良いのかな…

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