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ある日、Aと剛典はとある撮影の移動のため成田国際ターミナルのロビーに居たのだが、
現地ターミナルでのトラブルのため在来便の欠便が相次ぎ、キャンセル待ちで小一時間ほどの待機を命じられていた。
「…あれ、」
剛典「だからぁ、ここは上!下行くとこいつに気付かれるから。その装備じゃ勝てないでしょ」
「難しい…」
剛典「お前が難しくしてんだよ。やってやろうか?」
「いい、私がやります。」
剛典 (悔しいんだな)
剛典から借りたとあるゲームを夢中になってやっているAは、激しく動くゲーム画面と連動して体も揺れている。
大木「キャン待ち取れたから、あと30分くらいで行くぞ〜」
「「はーい」」
慌ただしく人の行き交う空港の中では、サングラスにマスクに帽子姿のAと剛典を その人本人であると特定する人などそうそう居なくて。
多少声を上げたりしてみても騒ぎになることはない。
「○△☆〜□◇○▽…?」
剛典「…え?」
突然視界に影が出来たと思ったら、聞いたこともない言葉で話しかける。
パッと視線を上に向けるとそこにはアフリカ系の顔立ちをした女性が立っていて。
剛典(どうして俺らに話しかけたし…)
聞いたところによると彼女の言葉は英語とは程遠い言語で、何故日本人である俺たちに母国語全開で話しかけてきたのか剛典には疑問だった。
何か困ったことがあったのだろうか、眉毛をハの字にして焦った様子の女性を助けてあげたいのは山々だが、何しろ言葉が通じない。剛典は助けを求めるようにマネージャーの大木を探すが…
大木「あ、はーい、なんとか!……はい、そっちには6時間後に着く予定です〜 ちょっと時差わかんないんで、…はい、はいっ」
現地スタッフと電話で会話をしてて剛典の視線に気付きもしない。
剛典「(どうすっかな…)…あー、Do you speak English?」
何を隠そう慶応ボーイの剛典は、英語なら少しだけ話せるんだけど とそう聞いてみるが…
「……」
剛典 (ああ、おっけ。話せないのね。)
は?みたいな顔で無言の女性を見て、返事を聞かなくても察した剛典。
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作者名:とまと野郎 | 作成日時:2014年12月25日 15時