-ver.veil green- 12 ページ33
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哲也「これにするの?」
「うん。…香水って重いかな?」
哲也「プレゼントとして?うーん、問題ないよ」
Aからなら。
最後にちょっとだけ悩む彼女にそう言ってやると、スッキリした表情に変わって。
「じゃあこれにする。」
商品札を一枚手に取ってレジへと向かった。
*
時刻は16時ちょい過ぎ。
途中スタバに寄ってフラペチーノを2つ買い、近くの駐車場に停めている車へと戻った。
哲也「荷物全部後ろ置いちゃいな」
「はい」
Aが両手に持っている買い物袋を本当は俺が持ってやろうとしたんだけど、これはプレゼントだから 自分で持っていたいの。と全力で断られた。
荷物持ちするつもりでカバン持たずに手ぶらで来たんだけどな〜 結局自分が買った自分用の洋服を持つだけに終わってしまった。
「今日は、お付き合いいただきありがとうございました」
哲也「うん。朝叩き起こされた時はどうしてやろうかと思ってたけど、俺も楽しかったわ」
「えへへ…」
哲也「でも今度デートするときは事前に決めとこうね」
「はーい」
シートベルトを締めてフラペチーノを啜りながら、軽く手を挙げて返事をするA。
まあ、久々のオフ、寝てるよりは有意義な1日だったかな。
それにAと二人っきりでデートしたなんて きっと他のTRIBEメンバーが聞いたら羨ましがるよね。
「哲也さん、晩御飯は何にします?」
哲也「…久々にAの手料理が食べたいなあ〜」
「ああ、良いですよ。今日のお礼も込めて美味しいもの作ります」
哲也「やったね。」
多少無茶なお願いにも警戒心一つ見せないで快く了承してくれる。
わがまま言うのも、振り回してくれるのも、心を開いた相手にだけ見せる まだまだ子供なAの本当の姿なんだろうね。
それをこうやって間近で見れる俺の立ち位置ってやっぱ、かなり美味しいと思うわ。
(アクアパッツァが良いですか、パエリヤが良いですか)
(中々凄いもの作るね)
(…うん、アクアパッツァにしましょう。)
(俺まだ答えてないんだけど?)
(この鯛凄く美味しそう…)
(あ、聞いてないわこの子。)
優しいお兄ちゃんと、意外にわがままな妹君の話。
-ver.veil green- 了
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作者名:とまと野郎 | 作成日時:2014年12月6日 12時