＊ ページ19
緑side
「あ〜もう、なんでこんなことになってんねやろ」
一人空き教室でメイクしながら呟く。
ファンデーション、マスカラ、チーク…
どれもこれも久しぶりの感覚。
こんなこと、もう一生せんって思っとったのに。
見つめる鏡の中には、以前と変わらない偽りの姿の自分が居った。
「神山くーん？
そろそろ舞台袖スタンバイだって！」
「はーい……、よしっ！！」
クラスの女子の声に軽く返事をしてから、気合い入れるために両頬を叩く。
「ごめん、お待たせ……」
舞台袖、みんなの元に足を踏み入れたら、一気に視線が集まった。
「えっ！神山！？うそ、めっちゃ可愛いやん！」
「これなら全然いけるっ！
てか、その辺の女子より可愛くね？」
「神山君、どこでそんなメイク術覚えたん！？」
俺を見て、男子も女子も勝手に盛り上がっとる。
…ほんま、鬱陶しい。
「神ちゃん、？」
嫌な顔しとったんがバレたのか、流星が心配そうに覗き込んでくるから、咄嗟に作り笑いで誤魔化す。
「あはは、俺って意外と女装似合うんやな！
自分で見て可愛すぎてびっくりしたわ！」
「うん、可愛ええ。ほんまもんの女子みたい」
「やろ？
俺がここまでしてやったんやから、成功させなきゃ怒るで！」
「ほら、はよスタンバイしよ」って、まだ何か言いたげな流星の背中を無理やり押した。
「じゃ、本番始めます」
ナレーションの子の合図と共に、暗くなったステージの上、そっと真ん中まで進んで止まる。
「昔むかし、ある所に白雪姫という、美しい姫がいました」
言い終わると同時に、スポットライトが当てられて、その眩しさに思わず目を細めた。
思ったよりたくさんの観客が入っとって、途端に心臓がバクバクと音を立て出す。
大丈夫、流星との練習を思い出せ。
少し冷静になろうと、ひと呼吸おいて体育館内を見渡した、真っ直ぐ先。
「………し、げ」
見つけた。
多分、目が合っている、と思う。
思うっていうのは、彼の瞳が、不安げにゆらゆらと揺れていたから。
俺を見ているようで、見ていない。
こんなにも離れているはずなのに、それだけは遠くからでもわかった。
「なんで………居るん…」
しげの声が聞こえた気がした。
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ぱすた野郎(プロフ) - くろさん» お返事遅くなってしまい申し訳ないです💦ありがとうございます！頑張って更新します！ (2023年3月16日 20時) (
レス) @page31 id: 82f6058c4c (このIDを非表示/違反報告)
くろ - うわぁぁぁぁぁ、かみしげ尊い！！更新待ってますっ°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖° (2023年2月25日 14時) (レス) @page29 id: 4ac0991511 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすた野郎(プロフ) - ななはちさん» ななちゃんありがとう〜😭無事復活はできたっぽい！まだ予断を許さぬ状況だけども！笑 また繋がってくれたら嬉しい🥹🥹 (2023年2月4日 0時) (レス) id: 82f6058c4c (このIDを非表示/違反報告)
ぱすた野郎(プロフ) - 7129さん» 7129さん〜🥹ご心配おかけしました、無事アカウントは戻ってきました…振り出しに戻されましたけど🤣🤣 (2023年2月4日 0時) (レス) id: 82f6058c4c (このIDを非表示/違反報告)
ぱすた野郎(プロフ) - kikaさん» びっくりして1日ショックで立ち直れなかったんですが、今ようやく復活できたみたいなので、良かったら再度フォローしてくださると嬉しいです🥹 (2023年2月4日 0時) (レス) id: 82f6058c4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱすた野郎
| 作成日時：2022年8月14日 22時
