Tantalizing loves【JW 赤×緑】

＊ ページ42

言い淀む俺に痺れを切らした神ちゃんが、「なんで？」と首を傾げて急かしてくる。



いや、もうここは、正直に言うしかないよな。


やって、自分を守るための嘘で、好きな人を傷つけたりしたないし。


ましてや、過去に一度同じようなことで傷ついた彼にだけは絶対したらあかん。



「…実は、先週の土曜に神ちゃんと流星さんが二人で居るとこ見て、その…、雰囲気が何と言うか、いい感じに見えて……」



思い切って話し始めたけど、やっぱりかっこ悪くて、思わず声が尻すぼみになる。



「俺と流星は従兄弟やで？」




「知っとる。ってか、さっき知った。
俺、勘違いしててん。神ちゃんが流星さんと付き合っとるんちゃうかって」




「なんやそれ、そんなわけないやん」



「やって流星さん、神ちゃんの頭撫でたりしとったし、…神ちゃんも満更でもなさそうに見えたし…。」



「流星は小さい頃から俺の事可愛がってくれとるお兄ちゃんみたいなもん。

…ってかしげ、もしかして流星に嫉妬したん？
やから怒ってたん？」



「なっ、そ、そんなんちゃうけど…！」



「なんや、違うん…。
そうやったら嬉しかったのに…」



握られた自分の手を見つめながら神ちゃんが拗ねたように言う。

最後のは小さい声やったけど、俺にははっきり聞こえてん。


あかんわ俺。

正直に言うってさっき決意したばっかやのに。



「ごめん、嘘ついた。ほんまはめちゃくちゃ嫉妬した。俺の神ちゃんやのにって。」



「ふふっ、俺いつからしげのになったん？」



「なっとらんけどっ！！
これからなる予定やったの！」



勢いでなんや凄いこと言ってまったけど、相変わらず神ちゃんはニコニコと天使みたいな笑顔浮かべとる。




「なぁしげ。なんであの日流星と買い物行っとったか知りたい？」

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