Own Civilization #壱 ページ6
都内某所の、ビルの屋上。
冬の初めの空が薄い灰色と淡い水色と微かな白色のマーブル模様を成して、頭上に迫っている。
今日は風が強い。
その風に流され舞い飛んでゆく、数枚の羽の行方を見送って立ってる。
それらは天高く舞い上がっていった。高く、高く、空の果てへ。
そしてやがて点になり、消えた。
飛び散った羽が視界からいなくなったから、次に視線を眼下へと垂直移動させる。
「─────ここは、見晴らしがいいな。」
車がミニカーほどにしか見えない高さだから、人に至っては豆粒程度。埃か微生物レベル。
端的に言うと、目にも入らない。
「ここからじゃなくても、そもそもその程度のものか。」
小さく肩を竦める。本当ニ人間ッテヤツハ。
地球上の一生物に過ぎないのに、ヘタに知恵なんか持っちゃったから。何とかに刃物は持たせちゃダメだったということだな。
でも、その刃物を持たせたのは誰だ。そうすることの結果まではご存知なかったのか？なんてこった。
もしくは、分かった上での敢えてかも？
そうだとしたら、とてつもなくご趣味のいいことだ。反吐が出るほどに。
「吹けば飛ぶような、脆弱な生き物なくせに。」
丸腰で放り出されたら、他の動物に敵うことのない非力さ。
足も速くない。
腕力だって知れてる。
相手を倒す牙も無い。身を守る毛皮もない。
なのに、生物界の頂点の存在のように振る舞ってる。傲慢に。尊大に。
ただちょっとばかし脳味噌を使うことを知ってたというだけで。
「進化、って何だろな。」
この世界で日夜繰り広げられる、ホモサピエンスの進化形たちによる自然破壊に文明後退。
それを今立つこの場所から俯瞰してみると、それらは何とも言えない色味を伴って、ダンダラ模様の
俺は首を捻る。
この世界の人間たちは、どうしてコレが見えないんだろう？こんなにも気持ち悪い、吐き気すら催すものが始終周りに纏わりついているというのに。
「……鈍いってのも、ある意味スペックなんだな(苦笑)」
この世界で生きていくためのスペック。
Own Civilization #弐→←THE WORLD IS FANCY #肆
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羊羽(プロフ) - のりさん» のりさんお久しぶりです！物理理論をそれらしく書いてるせいで誤解を生みましたか？マジでよく分からないままそれらしく書いてるだけですから（笑）この段階でﾄﾞｷﾄﾞｷしてもらえてるの心底嬉しいです。徐々に全貌見えるはずですので今後もﾖﾛｼｸﾃﾞｽ。 (2021年5月7日 11時) (
レス) id: 62b440dca8 (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - お久しぶりです。羊羽さんてめちゃくちゃ頭良い方(勉強もだけどクレバーという面でも)なんだろうなぁとずっと思ってましたが…お話ドキドキが止まりません。続き楽しみにしてます♪ (2021年5月6日 20時) (レス) id: 18c83a81d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羊羽
| 作成日時：2020年6月24日 9時
