蒙昧termination #参 ページ37
二宮サンはムスッとした顔をした後、
「……そだな。前言撤回する。」
急に素直に撤回した。
「え？どうしたの？」
「いや、著しくオッサン発言かましたなと反省中。」
「へぇ。」
二宮サンは小さく溜息を吐いた後、
「……ヤダよなー、自分が嫌悪してたモノがいつの間にか自分を巣食ってるとか。なんか知らん間に侵略されてる気分。あーヤダヤダ。」
結構真面目な顔して、そんなことを言った。
「二宮サン、そういう発想を嫌悪してたんだ。知らなかった。」
「どういう意味。」
意外とニュートラルな感覚なんだね、って意味だけど、それ言うと怒りそうだから黙っておくことにした。沈黙は金。
「そうやって自省できるなら、まだ侵略されてないと思いマス。」
「いや、言われるまで普通にこんなこと口走ってたんだなって思うと、自分で自分がイタイ…」
「言われたところで気付けるなら、まだまだいくらでも救いようはある。」
「何だか上から言われてるっぽいのが癪に障るけど、この件に関しては面目ない。」
あんまり素直に反省するから、怖い。
「二宮サン、お昼何食べた？」
「昼メシ？何、急に。」
「お腹でも壊したのかと思って。」
「…どーいう意味？」
「二宮サンがそんな素直に反省し続けるって、体調良くないのかなって。」
「おまえ、マジむかつくな。」
親切心なのに。
二宮サンは怒った顔したまま、解析を始めた。鬼速度でコードを打ち込んでる。
Enterキーを打つ音が機嫌の悪さを物語ってる。
私はキーボードのEnterキーの存続を心配しながら、二宮サンを眺めた。己の発言に潜む見えない悪意に気付くとは、意外と、結構、素直なところあるんだな。
世間にはかなりの数で、悪意も他意も無く普通にああいうことを口にする人がいるんだ、これが。
悪意を悪意と認識できていないところが絶望的にマズイし、その上この国の女性の立ち位置はなかなかに最悪。
ああいう悪意は、その最低最悪な立ち位置を見せかけの綺麗な布で覆って、意味のないキラキラしてるものでデコレーションして誤魔化そうとしてくるから、これはもう確信犯的悪。
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羊羽(プロフ) - のりさん» のりさんお久しぶりです！物理理論をそれらしく書いてるせいで誤解を生みましたか？マジでよく分からないままそれらしく書いてるだけですから（笑）この段階でﾄﾞｷﾄﾞｷしてもらえてるの心底嬉しいです。徐々に全貌見えるはずですので今後もﾖﾛｼｸﾃﾞｽ。 (2021年5月7日 11時) (
レス) id: 62b440dca8 (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - お久しぶりです。羊羽さんてめちゃくちゃ頭良い方(勉強もだけどクレバーという面でも)なんだろうなぁとずっと思ってましたが…お話ドキドキが止まりません。続き楽しみにしてます♪ (2021年5月6日 20時) (レス) id: 18c83a81d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羊羽
| 作成日時：2020年6月24日 9時
