エアリアルエイリアン #伍 ページ23
「Aサン。頭、大丈夫ですかー？」
二宮サンがコード解析しながら、こっち見ずに大変失礼なことを言ってきた。さん付けが更に失礼さを増してる。
「どーいう意味ですかね？」
私は、まあまあムッとした感じで答える。
「さっきの大野さんのこととかさぁ、」
相変わらず目線は計算中のボールペンを見つめながら、二宮サンはそう言った。
「寝過ぎで脳味噌溶けてんじゃね？おまえ。」
「は？」
「いやマジで。」
そこで二宮サンは顔を上げ、私を見た。
「Aってバカみたいに寝るじゃん？講義中もいつも寝てるって伊野尾が言ってたし？昼休みにベンチで無防備に寝てるのも見かけるし？待ち合わせでの遅刻の理由は寝坊しかないって雅紀がブー垂れてたし？
だからオレは常々心配してたんだよね、『こいつの脳味噌は寝過ぎでふやけて溶け出してんじゃないか？』って。
そしてそれなら合点が行く。大野さんのこと抜け落ちてるのもな。」
めっちゃ大真面目な顔して、めっちゃバカにしたこと言ってきた。
「半月ほど前、手伝いに借り出されたシンポジウムで松本先生が大野さん紹介してくれたの、マジで覚えてねーの？Aシステムプログラム開発した人、って紹介されたじゃん。」
二宮サンはそう言いながら、件の『オオノサン』を親指で指す。
「あのシンポジウム行かなかったんだっけ？」
シンポジウム。
────って何の？半月前にそんなのあったっけ？
私は飴玉を口の中で転がしながら目を瞑った……そんな記憶ないんだけど。
私は目を開けて、二宮サンの顔を見る。
「───ホントに覚えてねーの？」
二宮サンの顔つきが怪訝なものになった。
私は「ナイ。」と首を振る。
「……っかしーな。どういうことだ？」
私も考える。ドウイウコトダ？
「Aが覚えてないってこと、あるか？」
二宮サンの顔は“怪訝”から“不審”へと変化し、腕を組んで、背もたれに身体を預け、顔を天井に向けて首をゆっくり後ろに逸らせた。
そして目を閉じた。何かに集中するように。
私は、その二宮サンの姿を横で眺めてた。
その時。
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羊羽(プロフ) - のりさん» のりさんお久しぶりです！物理理論をそれらしく書いてるせいで誤解を生みましたか？マジでよく分からないままそれらしく書いてるだけですから（笑）この段階でﾄﾞｷﾄﾞｷしてもらえてるの心底嬉しいです。徐々に全貌見えるはずですので今後もﾖﾛｼｸﾃﾞｽ。 (2021年5月7日 11時) (
レス) id: 62b440dca8 (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - お久しぶりです。羊羽さんてめちゃくちゃ頭良い方(勉強もだけどクレバーという面でも)なんだろうなぁとずっと思ってましたが…お話ドキドキが止まりません。続き楽しみにしてます♪ (2021年5月6日 20時) (レス) id: 18c83a81d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羊羽
| 作成日時：2020年6月24日 9時
