THE WORLD IS FANCY #弐 ページ3
『……しかし、ゼウスはそのことが我慢ならないようだ。彼はやがて、私と人間に報復を企てるだろう。』
『果たして…よもやそのようなことになりますでしょうか？』
『いいか、エピメテウス。ゼウスは必ずや、報いとして人間に大きな
プロメテウスはエピメテウスに視線を戻した。
『だから分かったか、エピメテウス。ゼウスからの贈物は決して受け取ってはならぬ。決して、だ。送り返すのだ。何故なら、それは企みなのだから。』
『分かりました、兄上。』
兄弟は約束を交わし、部屋から出て行った。
その後ライトが一段階落ちる場面転換のタイミングで、
「────兄の名前がプロメテウスで、弟の名前がエピメテウスだろ？」
隣から、周りの観客の邪魔にならないようにトーンを最小限に落とした声がした。空気を這うような静かな低音。
「うん。」
「“プロ”はギリシア語で『先に、前に』って意味でさ、“メテウス”は『考える者』。逆に弟の“エピ”は『後に』って意味だから、つまりプロメテウスは『先見の明を持つ者』、エピメテウスは『後でしか考えない者』って名前なんだってさ。」
「……結構ひどくね？その名前の付け方。兄弟で差があり過ぎだろ。弟かわいそう(苦笑)」
「ホントだよな(笑)」
クックッという小さな笑い声が、オレたちの間の空気を微かに震わせた。
舞台上では、王座に座るゼウスの前にプロメテウスが
『プロメテウス───イーアペトスの息子よ、お前は他を超えて優れて狡猾で、私に一杯喰わせ火を盗んだと言って喜んでいるが、実のところそれはお前自身にも、そして将来の人間どもにとっても大した禍いなのを存じているのかな？
私は火の償いとして彼らに禍いを遣る。しかも、だ。彼らがそれを大切に守って、
玉座のゼウスはそう言うと高笑いをし、周りにいる神々からも追従するような哄笑が上がる。
……ええ〜？
なんつーか、ギリシア神話の神様たちって神様なのにすっげぇ人間臭いっつーか……性格悪くね？
THE WORLD IS FANCY #参→←THE WORLD IS FANCY #壱
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羊羽(プロフ) - のりさん» のりさんお久しぶりです！物理理論をそれらしく書いてるせいで誤解を生みましたか？マジでよく分からないままそれらしく書いてるだけですから（笑）この段階でﾄﾞｷﾄﾞｷしてもらえてるの心底嬉しいです。徐々に全貌見えるはずですので今後もﾖﾛｼｸﾃﾞｽ。 (2021年5月7日 11時) (
レス) id: 62b440dca8 (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - お久しぶりです。羊羽さんてめちゃくちゃ頭良い方(勉強もだけどクレバーという面でも)なんだろうなぁとずっと思ってましたが…お話ドキドキが止まりません。続き楽しみにしてます♪ (2021年5月6日 20時) (レス) id: 18c83a81d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羊羽
| 作成日時：2020年6月24日 9時
